昨今、恋愛事情について「一番学びたい女性」の一人に、恋愛ドラマの巨匠とも呼ばれる漫画家柴門ふみさんがいるのをご存知でしょうか。
大ヒットドラマ『東京ラブストーリー』や『あすなろ白書』など、数多くの恋愛ドラマの原作者であり、独身者既婚者問わず女性から圧倒的支持を得ている恋愛の教祖。
そんな柴門ふみさんが40年に渡りキラキラした恋愛ごっこを描いてきましたが、最近母親たちの恋愛をリアルに描く『恋する母たち』を連載中なのです。
その中でも、「性欲って厄介で・・・普段顔を隠してるくせにひょっとしたきっかけで姿を現して暴れ出すの~」と、緻密な取材を元に不倫というテーマで描かれたリアルすぎる描写が、主婦たちの心に刺さり15万部を突破する大ヒットとなっています。
既婚者からも恋愛ごっこや不倫を題材にした著書を「一度読んでみたい!!」という声もあり、柴門ふみさんがどんなチャレンジをしているのか?恋愛とは何か?現代女性学を紹介します。
既婚者たちの生々しい恋愛ごっこや不倫事情とは
柴門ふみさん原作の『東京ラブストーリー』は、日本女性の社会進出を変えた女性の一人として、主役の赤名リカは強烈なキャラクターとして衝撃的な作品であったと言える。
そんな造形された作品を作り上げた先生が、今どんな風に考え、チャレンジして作品化しているのか気になるところ。
『東京ラブストーリー』からおよそ30年、文集報道で数々の芸能人の不倫が取り沙汰されたり、既婚者女性の不倫経験率が3倍に膨れ上がったりと不倫話題は豊富です。
恋愛漫画の神様と言われる柴門ふみさんがなぜ今大人の恋愛ごっこや不倫漫画を描き始めたのでしょうか。
実は、男性から見るイメージとして、母親というと「性欲なんてあるわけない!」と思いがち。
しかしそうではないんだと共感を得ようと考えていたようです。
しかし、10年に渡り一般女性の恋愛事情を取材した結果、漫画以上に既婚者女性の不倫のリアル性に驚かされたという。
駆け落ち未遂をしたという女性は、自分に夫がいて相手にも妻がいるといったダブル不倫の関係。どっかに逃げようと旅券も取り、荷物の準備が出来て、イザ逃げようかと思った瞬間、旦那に見つかってしまったらしい。
その後、旦那が妻の不倫相手宅に直接乗り込み、『彼女を一生愛せるのは俺しかいないから身を引け!』と説得、駆け落ちを回避したといいます。
更にバブル時期、独身の女子行員6~7人集まってもらい、この中で不倫経験のある人は?と聞いてみたところ全員が挙手したと言います。
恋愛ごっこはいつでも現役に戻れる!?
一回でも恋愛した人は、恋愛の経験値の蓋が開いていないだけで、心の奥底に眠っているのです。
そこで男性からチョッカイ出されることによって恋愛はいつでも現役に戻れてしまい、恋愛ごっこから不倫という形に発展してしまいます。
そんな不倫のきっかけも時代と共に変化してきており、そこにはSNSブームが大きく関係し、簡単に恋愛ごっこができてしまいます。
特に、恋愛ごっこから不倫のきっかけをもたらす場所として、今も昔も危ないのは同窓会での出会いでしょう。
昔は同窓会に出席しても、連絡先を聞き出すのも家の電話しか無い時代でしたが、今ではFacebookなどSNSでチャットやメッセンジャーを送れ、いとも簡単に連絡が取れてしまいます。
既婚者たちの恋愛ごっこで40年の取材からわかったこと
当時、東京ラブストーリーを描いていた柴門ふみさんは『恋愛ほど美しいものはない・・・』と考えていましたが、60歳を越えた今に感じる恋愛ごっこや不倫の正体は「性欲」であると言います。
『恋する母たち』にも『キスしてのぼせ上がっているだけ 多分ただの性欲』という台詞が有ります。恋とは、綺麗なイメージを受けるが、実際は自分の性欲を刺激してくれるかどうかだけなのです。
「羅生門」でも有名な日本の小説家、芥川龍之介もこう記している
「恋愛はただ性欲の詩的表現を受けたものである。少なくとも詩的表現を受けない性欲は恋愛と呼ぶに値しない」
恋愛と呼ばれるものの正体はやはり「性欲」なのである。但し、ただ性欲というだけじゃ「恋愛」という「詩的表現」を受ける資格がなく、「性欲」は恋愛ごっこには必要条件だけれど、十分条件ではないということでもある。
性欲とは、性行為だけではなく、自分の中の内面を刺激し、快楽や高揚感・ときめき・気持ち良さをもたらしてくれるものであるのです。
一度自分の快楽を覚えてしまうとアル中や薬物中毒と同じように、恋愛にも快楽を求めるといった中毒性が潜んでいるのではないかといわれています。
実際、不倫経験のある既婚者女性の4割が、条件次第ではまた浮気や不倫をすると答えています。
最近では、1990年を境として働く女性が増えた事により、上司との恋愛ごっこから不倫というものが社会の中で割と手短にカジュアル化され、それが大きなポジションを持つ世の中になってしまいました。
そんなことから、そこまで男性の顔色を伺わなくてもいいやというのが増えたこと、一方で結婚しなくてもいいやということ、結婚はしたけれどすぐ離婚しますという事が安易に出来てしまうのです。
既婚者女性は恋愛ごっこに後ろめたさが無いからバレない!?
そんな中、夫の恋愛ごっこや不倫は95%バレてしまうのに対し、妻の不倫は5%しかバレないという確率があるのです。
夫が浮気する場合は第一に「妻に悪いな~」と思いながら浮気をしています。
しかし、妻は「夫が悪いから私は浮気するのよ~」と言いつつ、妻の浮気は恋愛ごっこのように軽い気持ちである分、後ろめたさがないからバレないと言われています。
しかし、誤解してほしくないのは、女性の方が不倫に対して優れているかもしれないが、この不倫を既婚者に薦めるなど肯定しているわけではないのです。
実際に、昔に比べて増加している不倫は良い行為ではなく、現実として既婚者女性の恋愛はいつでも現役に戻れてしまう、こういうものなのだと私たちに教えてくれるものとして認識して頂きたい。
不倫を題材として描いている作品の面白さから、女性は共感し、男は目を背けたくなる可能性が出てくるかもしれませんが、柴門ふみさんの『恋する母たち』を一度手に取って読んでみてもいいのではないでしょうか。