物流ロボットによるピッキングが自動化される近年、人工頭脳AIの発達により、物流業界にも大きな波が押しよせている。
今まで人の手によって行って来た倉庫内仕分け作業は、ロボットが肩代わり。早く、正確に、さらに丁寧に商品を吸い取ります。
こうしたロボット軍団がネット通販の作業現場まで進出しはじめてきました。今回は、いずれ人間の力はロボットの手によって完全自動化されるこれからの現状を紹介したいと思います。
物流の自動化、荷主のいる宅配便の仕分け
某巨大物流センターでは都内や航空貨物などで集められた荷物を全国70か所にあるターミナルに送るため、自動化による仕分けを行っている。
荷物の行き先を識別し荷物のコードを読み込むことにより行き先を特定。時速9.7㌔で動く自動仕分け機「クロスベルトソーター」で年間18億個フル稼働で1時間に48,000個の荷物を仕分けられるという。
これまでも地方では未だに人間の手によって集荷され仕分けを行って来たものだが、都心に集中する荷物の仕分けは今や自動化が進んでいる。
物流ロボットの自動化、ネット通販の物流倉庫では
ここ数年で増化を見せているeコマース(ネットショッピング)の宅配も急速にロボットによる自動化が発達している。
物流の仕組みは→在庫管理した後、注文~ピッキング~梱包~出庫というもの。ピッキングは人間が行うと1日20㌔約20,000歩も歩いてしまう人も居るほど超ハード作業。
これをロボットの自動化で効率化出来る。倉庫内にある膨大な在庫商品の中から、ネット通販で注文された商品を1つ1つ選び出し振り分けを行うピッキング作業。
今までは人間の手により棚から1個毎ある商品を取りに行く作業がとても負担になっていた。そこで人間の負担を減少させる目的で無人搬送ロボットが導入。
この四角い自動化されたロボットは在庫棚の下に潜り、認識すると在庫エリアから搬送エリアを通っていく。5段ある棚を持ち上げ、なんと人間のいるピッキング場所まで運んでくれる。
従来人間が20,000歩、歩いていた作業を完全自動化のロボット同士が華麗な動きでリカバーする。
「棚の方が人間のいる所にやって来て」作業ができるという優れもの。そこで持ってきた棚から人間が取り出し各商品を入れて行く。
さらに凄いのは、その棚のどこにあるかわからない商品も、プロジェクターが青白い光で指示してくれる。
今までは紙ベースで商品を探していたものを、AIにより指示案内から画面上に出してくれて余計な心配は一切ないという。
人工知能AIを導入しピッキング作業効率は従来と4.2倍にもスピードアップされました。
物流の世界は肉体労働の部分が多いものだが、そこをロボットの完全自動化が活躍することにより作業効率が上がるというもの。
ピッキングの自動化
ピッキングロボットは主に自動車工場で活動しているが、物流の世界ではアームの先(掴む部分)は吸盤4個が新しく使われている。
従来では不可能だった商品も、この吸盤によりそれが可能となる。小物・袋・曲面物でも傷をつけず、正確・丁寧、そして早くピッキングできる。
モーションプランニング(動作計画)は、同じ商品が並んでいても、また商品が重なった状態であってもそれを検知する。
様々な置き方や取り方があるがこれなら安心できる。確実性を追求した新AIの技術は膨大な選択肢を数秒以内で瞬時に計算してくれる。
また、ロボットの上部やサイドにカメラを設置することにより、実際にピッキングする物の位置・形を認識。その認識した情報をもとにAIはどのような動作をすれば効率的に商品をピッキングできるかを計画する。
その後は計画した動作を実行するのみ。毎回商品の形が変わっても、カメラで認識し掴み方、経路や最適な動きを決定し、ピッキング作業を熟せるのだ。
これまでのロボットは少しでも形状変化や、荷物が傾いていると掴めず落下させていた。また箱などは境目が認識できずとても困難でした。
しかしカメラで荷物状況を認識出来れば、荷物の重さなどから速度制御可能。荷卸し作業も完全自動化出来るようになったのです。
物流ロボットの完全自動化で何でもできてしまう?
物流は超多品質でティーチングすることが不可能だった。
しかしモーションプランニング(動作計画)という新しいAIを導入することにより、人間が教育しなくとも、どのように動くかを自分で考えてくれる。
ロボットメーカーもそれぞれ特性があるのだが、モーションプランニング(動作計画)AIを使えば、既存メーカーのロボットを制御できる汎用性がある。
わかりやすく言えば、パソコンのOSと同じ意味合いとになるのです。
物流業界でピッキングが自動化。将来人間の手は不要?
物流業界もこれだけのロボットの自動化が進めば、人間とロボットの役割分担が重要になってきます。
ロボットは、作業負担の大きい所。人間は、生産的な部分に就いて行くこととなっていくでしょう。
そして、物流産業の将来的には、ロボットが陸の上を走行し物を運ぶ時代がきます。空はドローンが活躍し、山奥や離島などに物を届けるでしょう。
これから先もeコマスがさらに普及し続け、あらゆる分野でロボットが自動化を図る時代。未来都市ではいずれ上空を無人ドローンが飛び交い、物流を支えていくのではないかと予想されます。
人間はそのロボットを管理する分野に移って行くが、その完全自動化されたロボットの管理技術も求められる事になりそうです。