葬儀で大切な方が亡くなってから急にパニック状態になり、今何をしていいのかわからない場面があります。
葬儀の現場でこれは何もあなただけではなく、すぐ傍に居る友人若しくは会社の同僚かも知れない。
そんなすぐ傍にいるあなたは、亡くなってから立ち往生しているその方にどんなことをしてあげられますか。
今回はそんな一瞬にして絶望的で気力を無くした人に葬儀の現場でどう接し、どう言葉をかけて上げればいいかをまとめてみました。
亡くなってからパニックに陥った人は雲の上
葬儀の現場では、大切な方が亡くなってから急にパニック状態になり、葬儀社が質問をしても返答が来ない場合があります。遺族はもう雲の上にいる状態なのです。
葬儀のあれこれに悩んでいるのか、またはなにから始めていいのかを頭の中で一生懸命考えているのかもしれません。そんな時、あなたならどうするでしょう。
信じられないことや不慣れな事ばかりで、そんな状況の時は行動すら起こせません。その上、いっぺんに「あーでもない、こうでなければならない」は禁句です。
遺族が亡くなってからはいくら説明やアドバイスしてあげても1/10くらいしか頭には入っていません。そういう場合は、冷静であるあなたが一つ一つの行動に対して足元から固めて上げることです。
もちろんあなたは経験した範囲内のことだけしか教えたりアドバイスすることができないでしょう。でもこれは困ったとき全般に通用することで、一歩一歩足を踏み出してもらう場合に使える対処法でもあるのです。
パニックになったら、はっきり一つ一つ丁寧に
葬儀でパニックになった人が仮に、勤務先の同僚であったなら、
・あとの仕事の事は任せておいて・・・
・落ち着いて先ずこれをやって・・・
・会社の事は何も考えなくていいから・・・
など、いつもよりも優しく、柔らかい言葉で接してあげることが重要です。葬儀のことで頭がいっぱいの同僚は、焦りの気持ちが優先してしまいます。
人手が足りないのにこんな時に~なんていう言葉はパワハラモワハラの対象になってしまいます。
同じ会社には、気遣いのできる親友が居て助かる!という言葉を、後で頂くくらいの接し方で同僚を慰めてあげましょう。
親しき仲にも礼儀あり。自分がその人にやってあげたことは、いずれ自分に不幸が訪れた時に必ずや助けてもらえるはずです。
パニックを抑えるため葬儀社にお願いしたいこと
家族の大切な方が亡くなってからパニック状態の時、葬儀社が遺族に対し、どうしたいか、なにがしたいかを聞いてもはっきりとは答えてくれません。
冷静さを失い、何を考えているのかもわかりません。
こんな時のアドバイスは、意識レベルを低く持ち、施主が何を求めているのかを聞き出すことから始めるのです。
その上で、具体的に順序良く説明し、選択技を決めていく事です。
葬儀の現場では、遺族に一番やってはいけないことは、確認を取って下さいね! と曖昧な言葉でお願いすることです。
家族が亡くなってから直ぐの対応ですので、
・看護師さんの所に行き、〇〇して下さいね!
・事務窓口に行って〇〇言ってくださいね!
などと、具体的にかみ砕いた言葉で説明してあげるのがよいアドバイス方法だと思います。
その上で徐々に葬儀全体の中から優先順位を決定し、決めごとなどを進めていくことです。
また面倒でも、その都度施主や家族の方には、簡単な言葉でわかりやすく提示し説明していくことが重要です。自分ばかり淡々と喋っても、施主側には専門用語や葬儀の流れなど理解できない部分が沢山あります。
葬儀のキチンとした基本から土台固めをしていかなければいけません。その基本となるのは故人の体(遺体)の管理です。
この遺体処置や管理が疎かになっていると他のことがどれだけ素晴らしくても無意味な仕事になってしまいます。そして、葬儀全体のやるべき仕事の中から優先的に一つずつ整理し、それを遺族に伝えられる能力をもつことが重要視されます。
そういうことが葬儀現場で亡くなってからパニックに陥る方に対しての、「できる」大きな能力だと思います。葬儀社の中には、プロ意識を醸し出して 難しい言葉 で喋れば、「この人できる人と思われるだろうな」などと勘違いしている社員もいます。
施主はそんなこと考えている余裕はありません。葬儀社の信頼度は、一つ一つ滞りなく施主と一緒に仕事を熟していった後に訪れるものです。
外面が良くても中身が薄くては何もなりませんからね。少しでもお役に立てたら幸いです。