結婚式に出席すると、結婚していない女性は袖が長い振袖の着物、
結婚している女性は袖が短い着物を着ていますが、
なぜそうなったのでしょう。
また成人式でも独身女性は今でも振袖が主流です。
今回はそんな振袖と留袖の違いや由来をご紹介します。
振袖と留袖の誕生とは
袖の長い着物が振袖、袖の短い着物が留袖となっていますが、
なぜ結婚していない女性は振袖、結婚している人は留袖の着物を着るのかご存知ですか。
振袖・留袖はそれぞれ誕生した経緯に理由や違いがあるのです。
振袖と留袖は江戸時代に誕生したのですが、
それ以前の人々は大袖や小袖といった着物を着ていました。
大袖は袖口が大きく開き、特に身分の高い貴族の人が着ており、
有名な十二単も大袖の着物にあたります。
一方小袖とは、袖口が小さく作られている着物で、
当時の一般女性たちが着ており、
結婚している女性、結婚していない女性に関わらず小袖の着物を着ていました。
つまり、江戸時代以前に着ていた着物は大袖と小袖しかなく、
江戸時代に入ってから小袖の下の部分を伸ばした事により
振袖が誕生したという由来です。
結婚していない女性が振袖を着るようになったある目的とは
江戸初期に結婚していない女性たちはある目的があって
煌びやかな振袖を着るようになったのです。
元々小袖を着ていた女性たちは、
独身女性の間でも憧れだった踊り子(現在の芸者さんの始まり)を
真似したいがために、最初は袖口の小さい小袖を着て踊っていました。
しかし踊っている内に「踊りを華やかにする方法はないか?」と悩むようになり、
「大袖の着物のように袖を大きくしたら?
その方が袖が動いて踊りが華やかに見えるのでは?」と考え出した。
そこで、小袖に生地を継ぎ足して袖を長くしてみたところ、
小袖と同じ踊りを踊っていても、振袖で踊った方が腕の動きが強調され
踊りが大きく見えるようになりました。
これが、振袖の原型といわれています。
振袖はなぜ独身女性だけが着るようになったのか
踊り子たちが袖を長くしたことで、踊りの表現が新たに大きく変わり、踊りの中で恋愛感情を表現するようになっていたのです。
袖を左右に振る仕草 ➡「好き」という気持ちを伝える意味
袖を持って手を叩く ➡「嬉しい」という気持ちを伝える意味
袖を持って口で噛む ➡「悔しい」という気持ちを伝える意味
左右の袖を交差する ➡「契りを結びたい」という気持ちを伝える意味
当時の女性たちは、好きな男性に言葉に出して「好き」と伝える事がタブーとされていました。
すると、憧れの踊り子に夢を抱いていた女性たちは「さりげなく男性に思いを伝えるのって素敵だね!」と感じ始めたのです。
そこから独身女性たちは自分の気持ちを男性に伝えるために、踊り子を真似て振袖を着るようになりました。
そしていつの間にか、独身女性は人目を盗んで街中で袖を振り、意中の男性に想いを伝えるようになっていたのです。
振袖を着ず、既婚女性はなぜ留袖を着るようになったのか
結婚した女性は、
男性に袖を振って恋愛感情を表現する必要が無くなったため、
振袖の袖を短くするために切るようになったのです。
しかし切るという表現は縁起が悪いという意味合いから
袖を留めるという事で留袖になったといわれています。
その後、留袖は既婚女性の象徴として現在もこの風習が続いているのです。
このように、振袖と留袖の意味を知っておくだけで、
独身女性が振袖
既婚女性が留袖
を着ることになった理由が理解出来たかと思います。
独身女性の皆さんも、そしてこれから結婚する男性も、
知らない人に教えて上げるとチョットハナタカになれますよ!
女性は昔から華やかさを尊重しています。
いかに美しく見せるのも男性の心一つです。
昔の恋愛表現にはとっても初々しさがありました。
現代の若者達にも見習いたいものですね。
どうかいつまでもその初々しい気持ちを忘れずに末永く幸せになってもらいたいものです。
どうか参考にしてみて下さい。