痩せとデブ、日本人はどっちかというと「痩せている人」の方が健康だというイメージが強いと思います。特に男女共痩せていれば美人にも見えるし、イケメンにも近くなります。
しかし痩せすぎやデブ過ぎは何かと病気のリスクが高くなることは皆さんも承知だとは思います。また欧米の研究では「デブっている人」は肥満度が高いほど寿命が短いとよく聞きます。
日本人と欧米人の違いから、痩せとデブいったいどっちの方が健康的で長生きするのでしょうか。
痩せている人より「ややデブの人」の方が長生きする
痩せている人とややデブっている人を比較した場合、「ややデブの人」の方が健康で長生きできるという研究データがあります。ただ、日本人を対象に比較した研究や、欧米人を対象に比較した研究などいろいろあるためどっちが重要か注意して見ていく必要があります。結果論では、痩せ型よりポッチャリデブの方が長生きします。
痩せデブをデータから比較するとその違いがわかる
東北大学で44,000人を対象に、40歳の人がどれだけ生き残れるかをテーマとしてBMI (Body Mass Index)による肥満度合の分類で平均余命年齢を調査した結果、
BMI (Body Mass Index)・・・正式にはボディマス指数(ボティマスしすう)と呼ばれ、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数である。
痩せ・普通・ややデブ・肥満の4つに分けて見ると、男女共に「肥満」が最も平均寿命が長いことがわかった。ランクをつけるなら
肥満>普通>ややデブ>痩せ
の順だそうで、痩せている人が最も寿命が短いのです。一方、厚生労働省が5万人を対象に調査した結果では、
ややデブ>普通>肥満>痩せ
の順に寿命が長いことがわかっています。以上の点から日本人を対象にした研究の共通点から、「痩せている人」はデブっている人と比較すると約6年寿命が短くなるというから驚きです。では、日本人と欧米人の違いからどっちが健康的なのでしょうか。
「痩せている人」「ややデブの人」は結果論に過ぎない
それは、痩せているか?デブっているか?ではなく、「脂肪」が重要視してきます。人間にとって、脂肪というのは免疫力と同じく絶対的に不可欠な材料となり、脂肪を下げ過ぎると免疫力が下がると言われています。
例えば、ボディービルをやっている人は大会などの前日までには体脂肪を限界まで減らしますが、その影響からちょっとしたことで風邪を引きやすくなると言われています。免疫力が下がるという事は、「がん」に対する免疫も同じ考え方で、デブっている人より痩せている人の方が免疫力は下がります。つまり痩せているとガンにもなりやすい体質になってしまうのです。よく、ストレスが原因で体重が激減し躁鬱になってしまった場合、並行してガンのリスクも高くなるのと同じ考え方です。
一方で、デブっているとどうなるのかというと、血管の病気になりやすいという事です。つまり、心筋梗塞などの心臓疾患、脳卒中などの脳血管疾患と動脈硬化のリスクを高めます。平たく言うと、痩せるとガンになりやすく、デブっていると血管の病気になりやすいということです。
一昔前の欧米での死因は、ほとんどが血管の病気(心筋梗塞)が増加していました。しかし最近では食事・運動の重要性が広まり心筋梗塞が減って来ているのですが、その代りがんの割合が増えてきているといいます。
日本の場合、2人に1人はガンが原因で亡くなっています。どっちかというと将来的にはややデブの方がガンのリスクは減るわけなのです。痩せれば痩せるほどガンのリスクは高くなります。その代わり血管疾患にはなりにくいということ。
最も重要なのは、遺伝による病気です。祖父母・両親などあなたの家系は、先祖の死因は何の病気が多いでしょうか?ガンで亡くなっている人が多い家系であれば、あなたも将来ガンになる確率は高くなってしまいます。そう考えると痩せすぎはガンのリスクを高めてしまう恐れがあります。そういったことから痩せすぎずよりややデブっていた方がいいと言うことになります。
また逆に、皆さんの先祖や親戚の中で、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病が原因で亡くなっている方が多いのであれば体重コントロールをして、少し痩せ気味にしていくといった方法を取るのが良いでしょう。肥満であればあるほど脳血管性のリスクが高まるので、その点は注意が必要です。
最終的には、どっちが良いかはそれぞれ人によって適正な痩せ方や太り方があり、そのためにはきちんとした運動も大事になってきます。運動をすることによって、病気になるリスクを減らすことも出来るのです。痩せている、デブっているというのはあくまでも結果論にしか過ぎません。
それを考えるよりも運動を週に何回やっているかの方が重要です。ある意味イケメンの40代50代の男性が腹筋モリモリにしている人もいますが、そういう人は逆に健康を害している可能性もあります。毎日運動をすることで健康維持が保たれるという点からも、痩せているかデブっているかで健康を知り得ることはナンセンスです。
しかし痩せすぎのリスク、デブっている場合のリスクを覚えておくだけで、自分の体型をどっち側に維持していくかの指標になりますよね。
痩せ過ぎずデブり過ぎずを目指し、その上でキチンと運動して正しい生活習慣を身につけることが大切となってきます。