繊細でイライラしやすいHSP、一見「うつ」にも似ているような症状ですが決して病気ではありません。
しかしこのHSPに気づかず無理を続けると、毎晩睡眠不足になったりイライラからストレスを溜めやすくなってしまいます。
HSPの人は大勢の人込みの中や、初めての職場などこの時期だからこそ人間関係の付き合い方に苦戦している方も多いのではないでしょうか。
今回はそんなHSPで繊細でイライラしやすい人が職場で向き合っていくためにはどうしたらいいのか、その上手な付き合い方を紹介したいと思います。
HSPはイライラしやすいが病気ではない!?
HSPとはHighly sensitive personの略で、感受性が強くとても繊細な人をいいます。
例えばHSPの人は、人の言動や感情、さらにその場の雰囲気や些細な言動を無意識に感じ取り、ストレスを感じやすくイライラしやすいのが特徴です。
そんなHSPに該当する人はなんと5人に1人といわれています。(エイレン.N.アーロン博士の研究による)
実は、HSPの人は脳の扁桃体という、自分にとって危険かどうかを判断する働きが生まれつき強く、不安や恐怖を感じる神経回路も敏感に働くと言われています。
HSPの特徴として一見うつ病と似ているように思われますが、HSPとうつ病とはまったくの別物です。
- うつ病➡︎後天的な心の病気
- HSP ➡︎生まれ持った先天的な特徴
HSPは決して病気ではありません。
一種の個性的なもので、強いて言うなら平均身長よりチョット飛び出た背の高い人みたいな感覚で、病気のように治すものではありません。
まずは自分がHSPにかかっているかどうかを知ることが重要です。HSPに気づかず無理を続けると、睡眠が浅くなり疲れが残ってしまうこともあります。
睡眠不足からストレスを溜めてイライラが起こります。特に新型コロナウィルスが蔓延する現代のように世の中が不安定な時には、より強く不安や恐怖を感じる繊細さがあるため要注意です。
たとえHSPとしても無理に自分を変えようとせず、自分と向き合い上手く周囲との付き合い方を考えて行くことが大切になります。
付き合い方をベストにHSPかどうかを判断する
人の気分に左右され、次第にイライラしやすい
自分の奥さんが自宅で家事をしながらブツブツ言っている。顔を見るとイライラしている様子。「イライラしている原因ってもしかして自分のせいなのか?」と考えてしまう。
HSPの人は、相手の言葉を発せずとも、相手の顔の表情や声のトーンなどからも気持ちを察知します。
たとえ相手のイライラの矛先が自分自身に向けられていなくとも、その怒りや悲しみを無意識に感じて疲れてしまうのです。そんな人の機嫌に左右されてしまう場合の対処法は、どうしたら良いのでしょうか。
それは、自分と相手との間に境界線を作ればいいのです。
例えば、テーブルを挟んだとすればそこにティッシュボックス1つ置くだけでも有効なのです。相手との間に何か物があると心理的な境界線となって、相手の感情を受け取りすぎないようにできるのです。
置くものはティッシュボックスに限らず、コーヒーカップやボールペンなどでもオッケーです。このように、ここが境界線だと自分で意識することが大切となり、境界線を作ることですごく楽になります。
断るのが怖くてイライラしやすい
会社の同僚に資料をまとめてくれと頼まれたとき、自分の仕事意外に同僚の仕事を引き受けると自分の仕事が終わらない事に悩み、イライラしやすい場合があります。
同僚は困っていそうだし、ここで断ったらその後の人間関係が崩れてしまうのではないかと不安になってしまいます。実は、HSPになっている人は自己主張が苦手で、誰かの役に立てるならば自分が我慢しようと考えがちになるのが特徴的です。
更に、依頼を断って相手から嫌われたらどうしようなどと、他人からの思われ方まで気になり結局断れず、イライラしやすくなってしまうという方もいます。
では、無理な頼まれ事や誘いを受けた時はどうしたら良いのでしょうか?
それは、自分の仕事のできる範囲を相手に伝えることです。
例えば「この資料を作ってもらえる?」と同僚から言われた場合は、「今は自分の仕事もあるから半分くらいならできるよ」と返してあげましょう。そうする事で、相手の要望を聞きつつ自分のできる範囲を伝えることを心がけるとイライラせず気持ちが楽になります。
考えすぎて初めから動けず、しまいにはイライラしやすい態度に
明日の会議資料を作るためにパソコンに向かうのだが、方向性が決まらず、また売り上げも出さないといけない…などと何から始めていいかわからずイライラする場合があります。
考えすぎたり悩みすぎたりと物事を進めるのにとても時間がかかってしまうのですが、考えすぎて動けなくなった時、ふと思い出す有効的な言葉があります。
それは「とりあえず」を頭の中で繰り返すことです。今できることや負担が少ないものから仕事を始める事で、ベストじゃなくても物事が進むと実感できるので、気持ちも楽になり時間短縮にもなるようです。
配慮が足りない人にイライラする
女友達と久しぶりに会った時、いきなり「太ったんじゃない?」と、人が気にすることをズケズケと言われてとてもイライラする場合があります。相手の表情や言葉のニュアンスを敏感に感じ取るHSPの人にとって、デリカシーがない周囲の人の言動は不快でしかありません。
では、配慮が足りない人にイライラしないコツは何だと思いますか?
それは相手に期待しないことです。
実は、他人に配慮する力にも個人差があり「仕方がない」と思うとだいぶ楽になります。
周囲の雰囲気に合わせてしまい、後になってイライラする
例えば「今度の休みどこに行く?」などと友達と遊びの予定を決めている時、自分は海水浴が苦手だから海に行くのだけは絶対嫌なはずなのに何故か友達の意見に賛同してしまう場合があります。
このような自分の本音を言えず、友人や周りの人に合わせてしまう事を「過剰同調性」と言われています。自分の意思が表せず、それを意思がないと感じ強く自分を責めてしまうのです。
そんな場合のHSPの人はどうすれば良いのでしょうか?
それは自分が感じていたことを後で書き出してみましょう。
HSPの人は周りの空気に飲まれてしまうと、何故かその場では自分の本心がわからなくなってしまうことがあります。そこで後で1人になった時、感じた事をノートなどに書き出し、自分の本音を見つめ直すことが大切なのです。
大勢が苦手でイライラしやすい
会社の同僚同士で飲み会に行った時、みんなは楽しそうに笑っているのに自分だけが暗く取り残されている。「私も気の利いたことを言って笑いを取らないと……」などと焦り、とてもイライラしてしまいます。
HSPの人は、大人数の場では人の表情や言動など1度に多くの刺激を受けてしまいます。全てに気を配ろうと悩むものの、「私ってなんでこうなんだろう」と自分では何もできず落ち込んでしまうのです。
では大人数が苦手な人は、こんな時周囲の人との付き合い方をどうすればイライラせず、上手くやっていけるのでしょうか。
それは、聞き役になることです。
その理由は、敏感に人の気持ちを捉えるHSPの人は、他人の表情や言動から相手の気持ちを察するのが得意です。聞き役になることで、相手が求める「返し」や「共感」が出来るので気持ちが楽になります。
視覚が敏感で目に入るものは何でもイライラしやすい
このケースは視界に入るもの全てが気になってしまいます。例えばパソコン業務をしているときに、他の人のパソコンのデータが視界に入ったり、ファイルが倒れているのが気になったりして集中出来ないことがあります。
また、向かい側の同僚の背伸びや、さらにカレンダーが前の月のままになっていたりとかたわいもない事ですが気になって集中ができない事があります。視覚が敏感なHSPの人は、視界にあるものを無意識に目で追い、集中力が欠けてしまいイライラしやすい状況になってしまいます。
こんな時、視覚が敏感なHSPの人は、あるものを使うと自分のやっている事に集中できるといいます。
それは、自分で縁が太い伊達メガネをかけることです。
これは視界に自分のメガネの縁が入ることで、ここだけ見ていればいいと見る範囲を自分で決めやすくなります。たとえ同僚が背伸びをしたとしても、フレームの外でのことなので気にならず目の前のことに集中できるようになります。
馴染むのに時間がかかる
例えば、地方の営業所から本社勤務なった場合など、新しい環境で初対面の人達の前で自己紹介する時、第一印象を良くする為に「悪く思われたらどうしよう」と考えやすくなります。
そんな時の対処法は、新しい環境に早く慣れる為に、最初に人見知りだと伝えるのと同時に「質問してください」と言うことをアピールすることです。
挨拶の仕方は「はじめまして松橋と申します。私は人見知りで話するのが苦手なので皆さんから質問してください」といった方が良いでしょう。
そうすることで、席につくなり相手から話題を振ってくれるので会話がしやすくなります。HSPの人は新しい環境に慣れるまで時間が掛かるので、無理をせず少しずつ順応して行くと良いでしょう。
音に敏感になりイライラしやすい
周囲の音が気になり折角の静かな場所でも大概の場合、落ち着いて本を読んだりしていてもイライラしやすい状況になる場合があると思います。例えば、喫茶店で隣の会話がうるさくてイライラする場合。また、パソコンのキーボードの音がうるさくて全然落ち着かずイライラしやすい場合。
このように聴覚が敏感なHSPの人は、周囲の会話や物音など一度気になると完全に集中できなくなり落ち着かなくなってしまいます。そんなときの対処法はどうしたら良いのでしょうか?
それは、単純な方法ですがイヤホンを使ってみることです。
オススメはノイズキャンセリング機能付きのイヤホンがお勧めで、心地よい音楽を聴いていれば気を紛らわすことができます。
面白い話をした時、あの人が笑ってくれないと思った時
誰にでも経験していることですが、自分が受けを狙おうと面白い話をしたとした場合、特定の人が笑ってくれなかったり不機嫌な態度になる場合があります。
こんな時は、自分でイライラしやすくなってしまいますが、無理に機嫌を取ろうとせずその場から立ち去ったほうが良いようです。
このように自分は、HSPに該当すると思っても、実際正確にはカウンセリングしないとわかりませんが、周囲に気遣って声をかけたりするものなどは、HSPっぽさが出ている証拠だと思います。
またグループでダンスをする場合など、振り付け動画をみんなで見ていて、メンバーの些細なフリのズレなどが気になる場合もあります。
しかし強くは言えないのですが、相手の気持ちに配慮しながらコミニュケーションができるという事でもあるので、HSPが持つ良い面でもあるのです。
もし自分がHSPかもしれないと思って相談したい時は、カウンセラーか若しくはHSPについて知識のある心療内科に相談していただいた方が良いでしょう。
但しあくまでも病気ではありません。
作詞や作曲など考える場合、良い能力を持っている方も大勢いらっしゃいます。
感じる力が強いという事は想像力が豊かになり、小さな出来事にも感動出来たり、HSPだから感じられる幸せは沢山ありますのでお得な人生になると思います。