新型コロナで緊急事態宣言の大きな目的は人と人との接触を減らす事だ。
緊急事態宣言が出て法律の様な強制力は無いけど、その効果は終息するまで分からないのである。
しかし新型コロナウィルスにも対応できるよう今年3月に法改正が行われこの法律に基づいて緊急事態宣言を出す意味合いから今回適用することになった。
新型インフルエンザ等対策特別措置法という法律ができてから緊急事態宣言が出されるのは今回が初めてのこと。
では、新型コロナウィルスが蔓延し、この緊急事態宣言を出されたことで我々国民は法律やその強制力の意味とはどんなものなのでしょうか?分かりやすく簡単に説明したい。
緊急事態宣言はどういう時に出すもの!?
緊急事態宣言を出す条件として
- 国民の生命や健康に著しく重大な被害を与える恐れがある場合
- 全国的かつ急速な蔓延によって国民生活と経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある場合
と、この2つを満たしていると判断された時に緊急事態宣言が出るのです。
では緊急事態宣言が出るとどうなるのでしょうか?
内閣総理大臣が緊急事態宣言をすると、対象地域の都道府県知事が法律に基づき、感染防止に必要な協力を要請や指示ができるのです。
今回のこのコロナウィルスで元になった法律は「新型インフルエンザ等対策特別措置法」というものです。
2009年に新型インフルエンザが蔓延。この時に法律を作り新型インフルエンザでないものにも採用しようと、インフルエンザ等という「等」が入っています。
これにより今年3月に法改正が行われ、この法律に基づいて新型コロナウィルスも適用することになったというわけです。
この新型インフルエンザ等対策特別措置法という法律ができてから、緊急事態宣言が出されるのは初めて。
実は今回の緊急事態宣言が出る前から、この法律とは違う緊急事態宣言が出ていました。
それは、2011年東日本大震災が起きた時に原子力緊急事態宣言が出されました。
もちろん今回の法律とは違うものですが、原子力発電所の周辺住民に避難指示が出てから現在もその避難指示に従ってそこから離れ暮らしている人がいます。
この緊急事態宣言が出されたままになっていることから、今まで住んでいた故郷に帰れない人たちがいるのです。
緊急事態宣言になったら国は法律をすぐに作れないのか?
緊急事態宣言になった場合、法律に則った指示や命令が簡単にできると思いやすいのですが、この法律というものはすぐできないものなのでしょうか?
基本的には法律ができて緊急事態宣言が出せば、その後は指定された都道府県に関してはそれぞれの知事に権限がある種うつされるようになっています。
現在の法律としてはそれぞれの知事が対応すれば良いと言う立て付けになっていると言われています。
日本人は、自粛要請が出ると皆一丸となって自粛をする人が多いのですが、そもそも緊急事態宣言は出す意味は別にあるのです。
緊急事態宣言が出ると事業者などに強制力の効果は期待できる!?
例えば、病院などに対して医薬品やマスクなど、あるいは医薬品を扱っている事業者に対して必要な物資を保管して下さいなどという強制力が発生します。
また、医療のために緊急に土地や建物の使用ができ、例えば病院に大勢の患者が殺到するようなことになれば、近くの空き地や建物を使用することができます。
原則的に土地や建物の使用は、その土地建物の所有者の同意が必要ですが、緊急事態宣言が出ると医療体制を確保するために事業者に対して強制ができるようになっているのです。
逆に、緊急事態宣言が出ても住民への外出はあくまでも自粛の要請であり命令ではありません。
お店あるいは施設、音楽やスポーツなどのイベントの制限に関してもまず要請。
次の段階が指示にとどまり命令ができるわけでは無いのです。
緊急事態宣言の要請と指示との違いは!?
単純に要請は「お願い」と言う意味になりますが、指示は命令と同じく守らなければ罰則になるのでしょうか?
このお願い・要請・指示とは、「お願いの強さの度合い」を表しています。
- お願い ➡︎ 普通にお願いする
- 要 請 ➡︎ 強くお願いする
- 指 示 ➡︎ 〜しなさい(命令ではありません)
「お願い」は普通にお願いすることで良いのですが、「要請」は法律に基づいて強くお願いするということで、従わない人が出ると言う可能性もあります。
法律に基づいて強くお願いすることに従わない人が出た場合、指示が出て〇〇しなさいよと命令にはなりませんが、イメージとして命令に近いお願いをするということになります。
緊急事態宣言で強制力の効果は表れる?
「指示」は命令ではないので罰則も有りません。
しかし、日本人の特性を考えて外出禁止等は感染拡大を防ぐために「罰則のないこの程度で良いだろう」と決定付けたもの。
土地の強制収容とかで病院を作るとなると、その強制に反対しても罰則がありません。
これに対して「命令」となれば、命令して違反すれば懲役や罰金などで事実上の強制を行うという立て付けになっているようです。
実は「要請」の次に「指示」を出しても、事実上要請の指示に従わない施設については名前を公表することになっています。
知事がある企業やある業種に「休業してください」と要請したのにも関わらず、仮にこれに従わないと「会社名」が公表されてしまいます。
会社側は『公表されたら大変だ』ということで、法律には書いては無いけど「では従おう~」と、どこか社会的プレッシャーの強制力を伴っているようです。
外国では外出禁止令や封鎖を行なっているのに日本はなぜ要請止まり?
外出禁止や都市を封鎖するための法律がないからです。
つまり法律を作ればできるが、あえてそこまでの事はしないということです。
法律がないと日本はロックダウンができないのか?
法律がないのでロックダウンはできません。
ロックダウンという言葉は小池都知事が「このままだとロックダウンするかもしれません」といった事で初めてこの言葉を知った方も多いはずです。
ですが実は、小池都知事はその後国民に対し「危機感がないのであえてロックダウンという言葉を使いました」と発表してましたね?
つまりロックダウンができないことはわかっているが、我々に対し危機感や警戒心を持ってもらうためにあえてその言葉を使ったのではないでしょうか。
また法律を作らないとできないロックダウンですが、緊急を要するのであれば早く出来るようです。しかしながら、法律を作って罰則をつけるとなると人権を制限することになり、反対も大きくなる事から、かなりの時間がかかると予想されます。
そんな法律を作っているよりは、いち早く国民の皆さんに自粛を要請した方が手っ取り早いということになるのです。
緊急事態宣言の範囲が全国に拡大された理由とは!?
4月7日に緊急事態宣言が最初に出された地区は、東京・埼玉・神奈川・千葉・大阪・兵庫・福岡の7都府県でした。
しかしすべての都道府県に緊急事態宣言の範囲を拡大しました。「現時点」で期間はこれまでと同じ5月6日までです。ではこの7都府県はどんな基準で緊急事態宣言が決まったのでしょうか?
実は感染の数が多いということもさることながら、感染経路が追えない人の割合が多いからという理由からその都府県を指定したようです。
緊急事態宣言が出るまでの動きとは!?
まず事前に感染症に関する専門家の人たちによる諮問委員会にはかって意見を聞きます。
- 緊急事態宣言を出してもいいかどうか。
- 指定都道府県はどこに出したらいいか。
- それはいつまでか。
緊急措置を実施すべき期間や区域、あるいは緊急事態の対応など、専門家の意見を聞いて決定します。
緊急事態のために国会の総会を開かず、衆議院運営委員会に各党の人達に来てもらい、ここで報告をします。
最後に安倍首相から緊急事態宣言が発表される。
という流れになっています。
特定警戒都道府県とは
緊急事態宣言の範囲が全国に拡大しましたが、新たに北海道・茨城・石川・岐阜・福岡・京都を加えて特定警戒都道府県が加わりました。
しかしこれ、今回の法律では区分けの仕方はありません。これから感染対策を重点的にする地域として特定警戒都道府県としたということです。
具体的に何をするかという事は未発表ですが、感染者が多い所ということでこれから何らかの対応を強いられることになると思います。
特定警戒都道府県等指定されたのに緊急事態宣言が全国に広がったのはなぜ!?
緊急事態宣言が出ている所から出ていない所に移動する人が出たり、これから訪れるゴールデンウィークを前に手を打とうというのが最大の理由のようです。
感染者の数が非常に少ない県、未だ感染者の出ていない県に逃げて行く人たちがいる事で、コロナ租界で医療現場が危険になることを恐れています。
ベッドが少なく収容出来ないなど、とても困るという事から事前に手を打っていたわけです。
緊急事態宣言で接触者8割に減らす方法とは!?
緊急事態宣言の大きな目的は、人と人との接触を減らす事です。
人と人との接触を8割に減らすということを国民に呼びかけていましたが、特に専門家の先生は「8割減」に拘っています。
ではなぜ接触を8割減らさないといけないのかというと、実は専門家によるこんな試みの計算が出ているからなのです。
実は現時点で新規感染者数の数を減らすために、約15日間で80%減らすのと65%減らすのでは全く差が出てきます。
80%減らすことで感染者が激減しますがこれが65%減のままだと、感染自粛が長期化して外出ができずストレスが溜まり、だんだん外出自粛が守られなくなってきてしまいます。
むしろ感染がまた広がってしまい医療崩壊につながる可能性も出てくるのです。
しかし現時点ではとても辛いでしょうが80%減になるように皆で努力をして下さいということです。
これにより、「どこで集団感染が起きているのか」「どのように感染が広がっていくか」という事を見つけやすくなるのです。
感染経路が不明な感染者がいっきに急増する事が一番怖いとも言われています。
「接触」は直接触れることだけではなく、2m以上の距離で会話をすることも実は接触になってしまいます。
最近ではソーシャルディスタンスと言ってテレビの司会者も2人が画面いっぱいに離れており、コメンテーターはスタジオに入らず、離れた場所からの同時中継解説も目立ってきましたね。
ソーシャルディスタンスを意識しよう
最近では公園など人がたくさん集まってしまっていて、これならば1人で車で地方に出かけてきた方が良いのでは?と思うかもしれません。
しかし、地方で全く人と会わない、接触が一切ないというのであれば良いのですが、行ったその本人が感染しているかも知れません。
症状が出ていない人もいるでしょうが、たとえ車から降りてたまたま通り掛かった人と言葉を交わしたりする事で感染を広げてしまう危険性も十分あります。
公園などでマスクをして散歩する事は構わないと思いますが、井戸端会議のように仲間と会話をする事はとても危険なのでやめましょう。
緊急事態宣言でどうすれば8割減らせる!?
緊急事態宣言が出て感染者の数を8割減らすという事は具体的にどうすればいいのでしょうか?
会社員が1日に接触する人数を8割減らす一例
- 自宅:3人
- 電車出勤:20人
- エレベーター:10人
- 会社の会議:20人
- ランチ:5人
- コンビニ:5人
- 居酒屋:10人
- 電車退勤:20人
単純に合計93人の人と接触することを想定した場合、8割減らす為に「自宅勤務」に変更すると次の人数が減ることになります。
電車20人+エレベーター10人+会社の会議20人+ランチ5人+居酒屋10人+電車20人=85人の人たちと接触をしないと仮定するとおよそ9割減になります。
極力「会社に行くのはやめましょう」って言われていますが、現実はこれができる人は限られてしまい全員がそうする事は困難です。
テレワークができない理由として、例えば
- パソコンのネット環境が整っていない
- 会社のパソコンを外に持ち出せない
- ハンコを押さないと決済出来ない
などが問題視されています。
どうしても対面しないと仕事ができないという日本の企業文化が大きく影響しています。
その代表的なものが印鑑であり、ハンコを押すだけに会社に出社しているという人も多いのではないでしょうか。
こういう時だからこそ「ハンコがなくても良いのではないか」と思い、民間企業に印鑑の制度の働きかけをしていく事がこれからの大きな課題となってくるようです。
新型コロナウィルスが蔓延している日本。自分だけは感染していないと思い込んでいる人もいまだに多いようです。
私たちの日常生活の中で必需品の買い出しに出かけることに関しては、何の法律も強制力も禁止もありません。
しかしそんな中、いち早くこの新型コロナウィルスの蔓延を終息していくためには、国民一人一人が「感染してるかもしれない」という自覚が必要になってくるようです。
皆さんで頑張って行きましょう