病理・司法解剖はよく検視とも呼ばれ、それにより葬儀開始が遅れてしまいます。
TVでもお分りかと思いますが、ほとんど事件性のある解剖ですよね。
病理解剖と司法解剖それぞれ同じ名前のようですが全く異なります。
病理解剖・司法解剖に時間が掛かるその訳とは
病理解剖の場合、一つの病気で旅立たれた方に対し、原因がはっきり特定できない場合など、遺族に許可を頂いた上でその病気の質や治療効果を調べるます。
ある意味では医学発展のための解剖です。
よって内臓のみの解剖で頭部、頸部、手足は解剖しません。
解剖する時間はその解剖する病院によって様々ですがおよそ2時間くらいでしょう。
司法解剖に比べれば早いと思います。
司法解剖は、よくちょっと転んだぐらいで旅立たれたれる方がいます。
それが事故なのか事件性があるのか特定できない場合です。
この場合警察が管轄しますので、法律上遺族の了解なしで行われます。
解剖する箇所も制限がないため、頭部、頸部、手足など執刀医の判断で行われます。
そのため解剖するのに3時間くらい掛かり、警察官が車で運び解剖終了後全体を包帯巻きにされて帰ってきます。
病理・司法解剖に時間が掛かり過ぎると、影響がでる?
病理解剖や司法解剖に時間が掛かり過ぎると、これによりいざ葬儀の準備をするとなると解剖の日数分、打合せが後回しになり決めごとが全く出来ないのが現状です。
まだご自宅に戻られていないのにあれこれと決めごとは不可能です。
知らせを聞いた菩提寺側でも、旅立たれたという連絡を受けただけに留め、日程調整や脇導師などの手配も出来ません。
は唯一遺影(写真)を決めてお預かりすることぐらいでしょうか。
ここはじっと到着を待つのみに留まります。
また、解剖を終えて自宅に到着したとしても、全身包帯巻きにされたその姿を見ただけで遺族の悲しみも増してしまいます。
葬儀の打合せが出来たとしても、故人の対面からややしばらくしてからの時間となり結構遅れが生じてくるというわけです。
病理解剖・司法解剖の現場の一室はにぎやかです
葬儀社がよく医大の解剖霊安室に引き取りに行くと、解剖を終え腹部を縫っただけの旅立たれた体が沢山保管されているのを見ます。
病理解剖の場合、腹部を割かれ内臓部分は大学病院など研究材料になるため取られてしまいます。
そのままでは傷口が開いてしまうため、その部分をガムテープのような物で処置したことがありました。
大切な家族が自宅に帰って行く前に別な病院に移され、体を傷つけられるのは何とも可哀想な気持ちになります。
原因がはっきりする事は良いことではあるけれど、家族にしてみれば出来る事ならそのままの身体で帰ってきてほしいと思うのは事実です。
私がもし大切な妻や子供が解剖となれば、断れるなら真っ先に断りますが、時と場合により叶わない場合は残念と思うしかありませんよね。
少しでも参考になれば幸いです。