朝テレビを見ていると日本テレビアナウンサー水卜麻美の苗字「水卜」は「みうら」という読み方なのは皆さんもご存知ですよね。
しかし日本に来て未だ日の浅い海外留学生などは、通常の苗字「三浦」の読み方は知っていても「水卜」の苗字の読み方を知らずこの漢字の違いにビックリしている人もいます。
当初から水卜と書く漢字を「みうら」と読み方を知っていた人はどのくらいいたでしょう。
今回は未だ「水卜」という漢字の読み方を「みうら」と呼ぶことを知らない人も含め、同じ読み方なのに「水卜」と「三浦」の漢字の違いやその苗字の由来などをまとめてみました。
水卜の苗字や漢字は珍しい
一般的な読み方をする「みうら」は、芸能界スポーツ界でも有名な、三浦友和・三浦知良・三浦翔平などさんずいに浦と書く「三浦」です。一方で日本テレビアナウンサーの水卜麻美は水にトの様な漢字を書く「水卜」と珍しい苗字であり読み方ですよね。
ではこの「水卜」がどのくらい珍しいのでしょうか。
ハローページに登録された世帯数を基にした「苗字が珍しい有名人ランキング」では、
- 1位 2世帯 水 卜(みうら)
- 1位 2世帯 筒 香(つつごう)
- 3位 3世帯 蛍 原(ほとはら)
- 4位 3世帯 仮屋崎(かりやざき)
- 5位 4世帯 楳 図(うめず)
- 6位 5世帯 一 青(ひとと)
- 7位 6世帯 葉加瀬(はかせ)
- 8位 7世帯 貫地谷(かんじや)
- 9位 8世帯 薬師丸(やくしまる)
- 10位 9世帯 鰻 (うなぎ)
9位の薬師丸の苗字はどうしても「薬師丸ひろ子」のイメージが強く上位にと思いきや皆さんの周辺にも居ないですよね。これも船の名前からこの苗字が来ているそうです。
6位の「一青窈」は一つの芸名かと思いきや、一青(ひとと)が石川県の苗字でこの読み方も珍しいですね。
なんと水卜アナウンサーの「水卜」は、筒香選手(プロ野球)と同じく1位とダントツに珍しかったのです。
「三浦」と漢字で書く苗字の由来
平安時代後期に相模国・三浦郡、現在の神奈川県三浦半島の地域で勢力を振るっていた武士がその地名からとって三浦と名乗り始めた。
そもそも三浦という地名は、入り組んだ海岸を「浦」と呼び、三つの浦に囲まれていた半島のことから「三浦」と呼び始め、その三浦に住んでいた武士たちが「三浦」と名乗っていたのです。
「水卜」と漢字で書く苗字の由来
では一方で水にトの様な漢字で書く「水卜」はどのようにして生まれたのでしょうか。
実は、三に浦と書く三浦とは全く別の地域で、全く別な理由で生まれた苗字なのです。
水にトの様な漢字で書く「水卜」を名乗ったのは、香川県が発祥地であり、「水卜」の「卜」はもともと「占」という漢字の一部を省略したものなのです。
言うなれば水を占うという職業であり、香川県で雨が降るかどうかを占う占い師だったのです。
なぜ香川県に雨を占う人が居たのか?
実は香川県は日本でも有数の降水量の少ない地域で、都道府県ランキングでも1位の長野県・年間933mmに次ぐ第2位にランクインし、香川県は年間1082mmと雨が少ない地域なのです。(総務省統計局/日本の統計2018)
このため、昔から農業用の水を確保するのが大変であり、降水量が少ない香川県の人にとってこの占いはとても重要な情報源だったようです。
そこで雨が降るかどうか占っていた占い師たちは水に占うと書いて「水占(みうら)」と名乗り出したのです。
なぜ水占は口という漢字を取って水卜になったのか?
それは占い師を辞めたからだと言われています。
実は、香川県では香川県では土地に対するため池の割合が全国1位で、江戸時代に土木技術が発達し農業用水用の「ため池」が沢山作られていました。
しかしこのため池が農業用水を安定に確保出来るようになり、雨が降るかどうかと占う必要がなくなったことから占い師は不要。
水占という漢字も占いをしないのに「占」はふさわしくないという理由から、占いを口で伝える必要が無いことから、
「占」➡「口」を取って ➡「水卜」
という苗字になったと言われているのです。
(名字研究家:髙信幸男による)
実際、日本テレビの水卜アナウンサーにこの漢字の由来を聞いてみたところ、水卜アナは千葉県出身。
だが父親は香川県出身で、父親は占い師は遣っていなかったが先祖は遣っていたかもしれない・・・という情報がありました。
どんな苗字でも、その漢字や読み方、由来を紐解いていくととても面白い物語にたどり着ける感じがします。
皆さんもこの機会にご自分の苗字を調べてみては如何でしょうか。