葬儀には思わぬトラブルが発生します。
葬儀を準備する時間がない、1回限りの真剣勝負で、遺族の神経もピリピリしている。
だからこそ失敗は避けなければいけないのだが注意していても起こることはあるのです。
特に故人に対する気持ちは特別なもので、ぞんざいに扱ってはならず、またプロ意識で過剰サービスすることもタブーとされています。
あまりに取り扱い方が手際がいいとかえって「事務的だ」と非難を浴びることもあり、失敗は常に付き物だという事を意識で葬儀を進めなければなりません。
葬儀の失敗例から学ぶ、マニュアル通りには進まない意味
過剰サービスやマニュアル通りによる失敗例をいくつか上げてみると次のようなものがあります。
わけあって・・・というお体は通常の形をしていません。
首や喉に縄目の跡がが残っていたりする場合や、顔の部分が赤く膨らんでいたり、黒紫に変色している場合が多い。
こんな時納棺中「皆さんでどーぞ!」と言ったものならば、家族から「故人の人権を無視した」と激しく怒られる場合がある。
これは常にマニュアル通りにしかできない担当者だからです。
対策法としては事前に首回りを着ている服と同色な布等で隠しておく(施す)。
顔色が変わっていればプロに頼んで化粧してもらう。
お体はどのような状態か?遺族の思いは?と考えれば葬儀で失敗する事は避けられますね。
葬儀の失敗、丁寧にやったつもりが大きなクレームに
次に、旅立たれてから余り時間も経っていない場合、身体はまだ温かい状態です。
本来は内臓から腐敗が始まりやすくドライアイスを施すのですが、ドライアイスは上から下に冷気が行くのでご自宅に安置する場合、
一番目にお体のお腹部分にドライアイスを載せます。
しかし遺族にとっては旅立たれたばかり・・・「まだ温かいのにドライアイスを置いた!」と怒り出します。
担当者の遺族に対する説明不足が招いた失敗例になります。
家族の死はなかなか認めがたい。
医師が判定しても身体が温かければ「まだ生きてる」と思いたがる。
そのような状態のの中では、ドライアイスを置くという当たり前の行為が遺族側からはあたかも残酷のように思われることがあるのです。
葬儀の失敗例から学ぶ、子供も大人も一緒では困る
小さい子供さんが旅立たれた時はもっと悲惨。母親はそのお体から離れません。葬儀社の担当ですらお体に触れさせませんから・・・。そんな時ドライアイスの一言でも発したらとんだ騒ぎになってしまいます。その場合は少し時間を空けてドライアイスの形がわからないよう薄い板状にするか、棒状に形を変えて施してあげるのです。大人と同じ扱い方では過剰サービスどころではありませんからね。皮膚も大人と違って薄く出来ているのでドライアイスの冷気で低温火傷をおこしかねません。
家族の不幸を認めて上げるのには多少の時間はかかる。当たり前の行為もマニュアル通りには行かない場合が多いこの葬儀業界。過剰サービスにならず、常に臨機応変の対応や慎重な処置を施して行きたいですね。