皆さんは健康のためには「1日に30品目食べるべきだ」と思っていませんか?
そしてまた最近ではこの30品目を摂取するのは大変だからといって、
サプリメントを通販している会社も出てきました。
しかし実はこれ、昔の健康常識で間違いであり、現在の健康常識では1日に食べる食品の数は関係ないのです。
さらに、早朝の運動は健康に良いとされてきましたが、これも昔の話で間違いなのです。
現在の健康常識では早朝の運動はしないほうがいいと変わっています。
このように昔は健康にいいと常識とされてきた医療や健康法の中には、
研究が進んことにより健康常識が大きく変わってきたものが沢山あるのです。
特に、イライラはカルシウム不足が原因だと言われてきましたが、
これは昔の健康常識でありその根拠はありません。
そこで今回は様々な分野から、
昔と今の健康常識の違いの中でも最も病気になりやすい
ストレスについて紹介したいと思います。
「ストレス」の昔と今の健康常識の違い
昔の健康常識でイライラした時は
「牛乳飲みなさい」とか言われ、
カルシウムを摂ると良いとされてきました。
しかし今の健康常識ではイライラとカルシウム不足は関係ありません。
一体なぜなのでしょうか。
確かに血液中のカルシウムが脳に運ばれると、
脳の興奮を抑えるという作用はあります。
しかし血液中のカルシウムが不足したときは
骨のカルシウムから補給されるのです。
そもそも血液中のカルシウムが不足する状態は
まず有り得ないのです。
もしも本当に血液中のカルシウムが不足したら、
肌がボロボロになったり、
最悪痙攣状態に陥ったりして、
イライラだけでは済みません。
おそらく何らかの病気である可能性が高いのです。
なぜイライラとカルシウムが関係あると思われた?
そもそも「カルシウム不足がイライラを招く」という情報は
1975年にある雑誌に
「ストレス社会の原因はカルシウム不足!?」という
記事が載ったことが原因なのです。
1970年代の日本はオイルショックなどの影響で
高度経済成長も終わりを告げ、
深刻なストレス社会の真っ只中。
日本中がイライラを強く感じるようになりました。
丁度その時期に食の欧米化が進み、
それまで魚中心の食生活から
肉中心に食生活へと変わり
カルシウムの摂取量が減少したのです。
つまり、当時社会現象となっていた
「ストレス社会」と「カルシウム摂取量が減った時期」が
偶然にも重なったことで
「ストレス社会の原因がカルシウム」だと
日本中が信じ込んでしまったということなのです。
(東京通信大学 医学博士植田美津恵先生)