今年2018年の夏は全国的に記録的な猛暑にみまわれ、やっと涼しくなったかと思えば、極端に寒い日が訪れ、風邪を引きやすい環境に変わってしまいました。
昔の健康常識では、よく風邪を引いた時は食事を摂らないと元気になれないと言われてきましたね。
しかし、今の健康常識では風邪を引いて食欲が無いときはむしろ食べない方が良いのです。
昔からの謂れで結構無理して食べていましたよね。
でもそれは一体なぜなのでしょうか。
「風邪」に関する昔と今の健康常識の違いとは
昔は風邪を治すため、体力を蓄える為に食事をとった方が早く治ると幼少期の頃からずっと言われ続けてきました。
最近の研究では、風邪で食欲が無くなった状態というのは、実は脳が指令を出して敢えて食欲をなくしているということがわかってきました。
風邪を引く ➡ 脳が指令 ➡ 食欲を抑える
どういうことかと言うと、
先ず、風邪を引くと胃や腸などの臓器に、脳からウィルスを退治する免疫細胞を増やしてくれと指令を出します。
すると胃や腸などの臓器はそれまで遣っていた活動を止めて、免疫細胞を増やすことを最優先に活動を行うのです。
こうして風邪は治っていくのですが、しかし私達が風邪をひく度に食事をとってしまうと胃や腸は免疫細胞を増やす役割よりも、消化活動をしなければいけなくなり免疫細胞を増やせなくなってしまいます。
その結果風邪の治りが悪くなってしまうのです。
その為、風邪を早く治すためには消化活動を抑えてあげることの方が重要です。
もし数日間何も食べなくてもウィルスが死滅すれば、自然と体力は回復し食欲も戻るので、風邪を引いた時は無理して食べる必要はないのです。
風邪を引いたら本当に食事は摂らないほうがいいのか!?
皆さんは今までしたことが絶対に正しいと思いがちですよね。
本当に何も食べなくても良いのか・・・ということが一番気になるところです。
但し、発熱を伴う場合や下痢をしている場合は、脱水症状を伴うことが多いので、その点は水分の補給だけは小まめにとる必要があります。
特にミネラルを多く含むスポーツドリンクなどがおススメです。
(東京疲労・睡眠クリニック院長 梶本修身先生)
最近では新しい研究結果が発表され、
風邪を治すための常識も年々変化してきています。
皆さんも新しい情報を参考にし
試してみるのも良いかも知れませんね。