虐待は児童虐待がニュースでも大きく取り上げられています。2014年母親が自分の子供を近くの川に架かる橋から娘を虐待目的で転落死させた事件は大きなショックを受けるほど悲惨でしたよね。
母親の子供が再婚相手になかなか懐かないことにいら立った母親は、このままではいけないと自らの手で、子供を橋の上から川へと落としたのです。
このような児童虐待の件数は、H28年度政府統計によると、全国で12万件を超え、過去最悪の数字となりました。年々増え続ける虐待はどうして行われるのでしょう。また子供の親はどんな心理でどんな特徴があるのでしょうか。
この記事を通して、虐待から子供やその親を救う方法などを一緒に考えて行きたいと思います。
虐待から子供と親を救え!急増する児童虐待の特徴とその心理とは
虐待による子供の死亡者数は年間84人、およそ4日に1人の割合で子供が命を落としています。そんなにいるのと驚かれた方も多いのではないでしょうか。
中でも、一番多く亡くなっている子供の年齢は「0歳」なんです。しかも生まれたばかりの子供です。この理由は、予期せぬ妊娠をして困った親(女性)が、育児放棄をして子供を虐待死させることが最も多いといわれます。
何も知らずに元気にこの世に生まれてきた子供は、その短い命を絶たれるわけです。
親の虐待から子供を守るためには何が一番大事か?
虐待で一番大事なのは、その虐待に早く気付くことです。過去に、家族内で日常的に子供に対する虐待が行われていました。しかしあることがきっかけに、母親はその虐待を解決することができました。
実は、親が留守をしている間子供自ら110番通報をし、助けを求めてその虐待が発覚したといいます。他人からの虐待なら理解できますが、子供が自分の親からの虐待を通報するなんてなかなか聞かないですよね。そもそも、子供本人からの通報は、全体の1%にしかすぎません。
その数字が低い理由は、
・もし通報したことがバレたら、母親にもっと酷いことをされるのが怖く通報できない・・・
というものです。確かに、子供自ら通報するということは相当の勇気が必要なことです。やったらやり返させられるという特徴は大人のいじめやパワハラ問題と一緒ですね。そのような心理状態になるのは子供でも同じです。では残りの99%の虐待通報ができない子供たちはどうしてあげられるのでしょう。
子供の虐待が疑われるサインを見つけてあげる
親がその子供に対し虐待をしているかどうかは、通常では分かりにくいものです。児童相談所でも、通報がなければ表面からでは判断しにくいものです。
それは、周りにいる大人が虐待でエスカレートする前に、現場での親や子供の虐待サインに気づく必要があります。
その虐待のサインとはどのような特徴や方法とは
- いつも家の雨戸が閉まっている
虐待している家庭は、子供の泣き声や悲鳴、親の怒鳴る声など周囲に漏れないよう、不自然に雨戸を閉めっぱなしにし防音している場合が多いです。
- 夜、外で子供が一人で遊んでいる
虐待を受けている子供は、夜 親が留守することが多く、淋しさのあまり外へ勝手に出ていくことがあります。このような家庭は育児放棄をしており心理的虐待の場合があります。
虐待を受けている子供の特徴を知る
虐待を受けている子供は、ケガや傷の他にもある特徴があるそうです。それは
・子供が着ている服に季節感がない
ということです。虐待を受けている子供は服を見ると季節感がなく同じ服を何日も着ています。服装に違和感があったり、汚れていたりすれば匂いも臭いです。
実際、親から虐待を受けていた小学校の子供は、2学期の終業式冬だというのに着ていた服装が薄手の半袖シャツにランドセル姿だったといいます。親が服の準備をしないため、その子供は真冬でも夏の格好をしていたという事例があります。
このように、周りの大人特に送り迎えができる親は、偏見の目で見るだけでなく、心理的に「オヤッおかしいな?」という疑いの目で気づいてやることが大切です。
虐待に気づいた時、周りの親はどうしたらいい
では虐待されているであろうと、周りの親たちが気づいたときはどうしたらいいのでしょう。
そのような時は、警察ではなく児童相談所に通報すればよいのです。
虐待の通報で、役立てていただきたいものは、2015年に開設された
児童相談所全国共通ダイヤル189(イチハヤク)
この児童相談所は局番なしでどこからもかけられ、24時間誰でも匿名で相談ができます。周りに少しでも虐待の疑いがあると思ったら、電話をしてあげましょう。またこのダイヤルは、虐待の通報だけでなく、
・虐待の被害にあっている人
・自分で子育てに悩んでいる人
などの相談も受け付けているそうです。少しでも悩みがあれば利用する価値はありそうですね。
虐待に悩んでいるのは子供だけではない
実際、虐待に悩んでいるのは子供だけではありません。親も悩んでいるのです。
・同居している夫が、子育てに協力しない
・子どもが言うことを聞いてくれない
など、育児ストレスの悩みを抱えている親がほとんどです。こうした育児ストレスにより、うつになる母親が増えていることがわかりました。人間はうつ状態になると、脳の働きが低下し適切な判断ができなくなるといいます。
すると
・すぐ感情的になり子供にキツく当たってしまう
でもこれは全て虐待なのです。実際に10年前、自分の子供に虐待をしていた人が周りの忠告により虐待を止めた人の感想を聞くと
子どもが言うことを聞かなかった時にカッとなって「こんなこともできないのか!」「あんたバカなの!」と叱っている内に、自分が興奮してきて最終的には床に子どもを押さえつけて怒鳴りまくる
といった事例もありました。
虐待になる前に、親は何をしたら冷静になれる?
では親は自分の子供に対し虐待になる前に、一旦何をすれば冷静になれるのでしょう。それは、
・一旦、トイレに行く
ということです。どうしても子供が言うことを聞かなかったりすれば、親は感情的になってしまいます。そんな時は、子供を叱る前にいったんその場から離れトイレに行きましょう。
そうすることで、他のことに意識を向けて5回深呼吸をするだけで興奮度を和らげます。心が落ち着いたら「どうすれば良かったのか?」を子供と一緒に考えて上げて下さい。
子供に暴力的行為を繰り返す家庭の特徴
日頃から、家庭内で父親や母親が子供に対し、暴力的行為が繰り返されている家庭があります。これはいったい何が原因なのでしょう。実は、
・近所づきあいが全くなかった
ことが暴力的になる大きな要因となっています。どちらかというと社交的ではなく、近所付き合いができず子育ての相談をする相手もいない。そんなことから、ストレスを自分一人で抱え込んでしまっていることが多くあります。
近所の人には、自分の子供の事など積極的に子育ての悩みを相談してみてください。周りには子育ての先輩が大勢おりますので良き相談相手になってくれるはずです。相談された人は解決策が見つからなくても、一緒になって考えて上げるなど、話を聞くだけでも親の気持ちは安まります。
虐待を受けていた人たちは、どのように立ち直ったのか
子供が成長する上で、虐待問題に付きまとうある事実がわかりました。それは、虐待している母親は、その上の母親からも虐待を受けてきたという典型的な連鎖反応が起こっていたのです。
統計的に子供の頃、虐待を受けてきた全体の⅓が、自分の子供を虐待するといった結果が出ています。虐待を受けることで、愛情が注がれずに育ってしまうと、自分の子供にもどうやって接していいかわからなく負の連鎖が起こりやすくなります。
虐待を受けた子供は、大人になっても人に甘えたり頼ったりできないのは、『母親の私が悪かった・・・』と後で反省を示す親御さんもおります。
そんな親御さんが反省し涙を流しながら自分の子供に虐待の反省をしたことで、社会に出てもその幼少時代からの苦しみから立ち直れたという報告がありました。
虐待から子供と親を救え!のまとめ
子育てする親にはどうしても周りのサポートが重要になってきます。バスや電車など狭い空間の所で子どもが泣いて困っている親を見たら「子どもは泣くのが仕事だからね」と親御さんに声を掛けて上げて下さい。
そんな一言で、親御さんは救われるのです。子供に泣かれると精神的に焦ってしまいがちになり、負の連鎖状態に陥ってしまいがちで可哀想です。
言われた本人は、その一言だけでホッとします。一見「お節介行為」と思われがちですが、周りのお節介が子育てのサポートになるというのが既に研究結果が出ています。
東京都では2014年から、東京OSEKKAI化計画という取り組みを始めています。地域の皆で優しく親と子を見守るという新しい言葉です。皆さんも、是非子育て真っ最中のお父さんお母さんに、温かいまなざしで励ましの言葉をかけて上げて下さい。
それだけで子供が虐待から救われることがあります。今の子育ては社会全体や地域内で子供を育てる共同保育ということが大事なのです。
子供の虐待は、周りから見て少しでも虐待があると感じたら、早め早めに行動を起こすことです。児童相談所のダイヤル189などを利用し、この世の中から少しでも子供に対する虐待や、虐待で悩んでいる親御さんが減ってくれることを期待したいと思います。
少しでもお役に立てたら幸いです。