病院にかかれば薬局で処方箋の薬をもらえるのは当たり前のようですが、この薬局や処方箋、薬の意味を知っていることで得することがわかってきました。
昔と違い、今は病院内に薬局を持たず病院の外に薬局が多く出来てきました。いったいなぜでしょう。
また最近では処方箋でも薬局の薬剤師からジェネリック医薬品を勧められたりします。それって病気になって薬の効果など変わりはないのでしょうか。
そんな疑問から、薬局の処方箋や値段、はたまた薬の仕組み、国の医療費の問題など薬に関する知っているだけでお得になる薬局問題についてまとめてみました。
薬局や薬店でみる第1類~第3類の意味
薬の第1類~第3類の言葉は何のために分類されているかわかりますか。これは薬の副作用など、リスクが高い順に表示分類されています。
第1類>第2類>第3類
最近では、コンビニエンスストアでも軽い風邪薬や胃薬など、薬の副作用の危険性のないものだけは置いても構わないということになってきました。
第1類は薬の副作用の危険性があるためドラッグストアのカウンター背中でお客が勝手に手を出せないようになっています。
ここで薬局とドラッグストアの違いはというと、処方箋が要らない店頭で買えるドラッグストアなどは、薬局ではなく薬店といいます。
また、薬の処方箋が必要なものは薬局といいます。薬局とは、病院などでもらった処方箋が必要な薬屋さんのことです。
この薬局ですが、全国には、この薬局というのは58,678軒(2016年現在ドラッグストア・薬店を含まず)あり、コンビニエンスストアの55,310軒(2018-1現在)よりも多くなってきています。
最近はよく病院の周りにいくつもの薬局ができてさらに増える見込みです。病院を探す時や、看板が目立つ薬局を発見した時など、近くに病院が有るなという目印にもなっているので便利ともいえます。
薬局の処方箋、薬局が増えた理由とは
薬局の処方箋ですが、昔は病院内で薬をもらっていたのに、今は病院外の薬局になってきたのはいったい何故でしょう。じつは、薬の件で問題が起きたからなのです。
1990年代以前までは、病院の中で受診し、病院の薬局で薬を出してもらう経営一体化となっていました。薬を患者さんに出すことによって、病院側はそこで利益が上がっていたわけです。
これにより病院側は沢山薬を出すことで儲け重視になり、患者はたくさん薬をもらうことで薬漬け医療が社会問題になりました。
- 国民の医療費が高くなり過ぎる
- 薬が多くて余ってしまう
と言った問題も発生しました。それを防ぐ意味を含め、ここははっきり分けるべきだという理由から、病院の内部には薬局を置かないという医薬分業制というルールに切り変わったのです。
これにより現在では病院は処方箋を出すだけとなり、処方箋に基づいて薬を出す薬局が病院の周りに増えていったということです。
薬局が病院と分業制になってのメリットとは
薬局が外にあることで、患者さんにとっては外で薬を貰いに行くのは面倒だという声は多いようです。しかし、薬局と病院が医薬分業制になってからこんなメリットも出てきているのです。
病院側は処方箋を出し、薬局の薬剤師が「本当にこれだけの薬が必要なのか」をその処方箋を見てチェックします。それにより病院側もいろいろな薬を出しましょうというところににブレーキがかかり、国民の医療費も安く抑えるメリットが生まれたのです。
民間委託の薬局と病院が完全に100%分業制になるまでには時間が掛かります。しかし、将来は薬局と病院、お互いに完全に分離し、それぞれが運営をして行くことになっているといわれています。
薬局でよく聞かれる「ジェネリック医薬品」の値段とは
知っているようで実は知らないことですが、このジェネリック医薬品の値段は安価で手に入るのです。なぜ安く買えるのでしょう。
実は特許権の事情があるからです。薬は、新薬の特許が切れた時点で、他の製薬会社は同じ成分の薬を作ることが出来るのです。
ジェネリック医薬品をわかりやすく説明すると、例えば医薬品Aの特許が切れた後に、この医薬品Aと同じ有効成分を同量含み同等の効き目があると認められた医薬品Bを作り販売することが出来るというものです。
これにより新薬を作るための多額の開発費がかからないことから、値段的のも安く購入が出来ることになります。薬局でよく聞かれるジェネリック医薬品には、私達は何故か裏があるのかと疑っていました。
そんなジェネリック医薬品の値段は、新薬の約2~7割という驚きの安さがあります。薬の値段はこうした開発費に大きな違いが出てくるのです。
- 新薬を作る開発費は 300億円~1000億円
- ジェネリック医薬品 1億円
これだけ開発費にお金がかかることがよくわかりますよね。新薬はそもそも効く薬の成分を探さないといけません。また化学薬品を使った成分の実験や動物実験、人間での臨床実験など研究開発費が増大します。
そのために新薬が誕生まで最短で9年、長くても17年という期間がかかるのです。また、いろいろな新薬を作っても実際に世の中に出る確率は3万分の1ともいわれています。
そのため新薬を作るのに1000億円かかってしまうのは納得です。同じ薬の効果があれば、薬の値段が安い方が私達には助かります。
薬局がなぜ安いジェネリック医薬品を勧めるのか
薬局が薬の値段の安いジェネリック医薬品を勧める理由には、国の経費削減を考えているという課題があるのです。薬1つ作るには膨大な開発費がかかっているわけで、少しでも値段の安い薬を使えば国民の医療費にも削減が出来るというわけ。
そのため薬局側はジェネリック医薬品に切り替えることができれば、国から薬局に収入が入るようになっています。国全体の医療費にも経費削減となり、薬局と患者お互いにウィンウィンの関係だといういう結果です。
ジェネリック医薬品の使用率は現在65%ぐらいですが、今後国は2020年頃までに80%までに伸ばしたいと目標を立てています。この目標が達成できれば、年間1.3兆円に医療費削減につながると厚生労働省はみています。
なにか裏があると考え、警戒していた皆さんはぜひお国のためにジェネリック医薬品を使うことをおススメしたいものです。
医療費の無駄遣いと問題視されていることとは
薬局から処方された薬の飲み残しが今問題視されています。75歳以上を対象とし年間475億円(推計値)という薬の飲み残しは、今大きな問題となっています。
薬局からたくさん貰ったのはいいけどどれを飲んだらいいかわからなくなり面倒臭いという理由で、飲み残しが発生してきます。また若い方でも、風邪を引いて薬を飲んでいたが、治った途端に薬を止め飲み残すことってありますよね。
中には、抗生物質を途中で飲むのを止める場合がありますが、それはとても危険なことなのです。症状が治まっていても体内では細菌や黴菌が生きている場合があります。
途中で抗生物質を止めてしまうと、その細菌に胎生が出来、抗生物質に負けない物質が生まれてしまい具合が悪くなりことがあります。病院から抗生物質を貰い症状が軽くなっても薬は飲み切ることが大事になってきます。
薬局の処方箋で、飲み残した薬を返品できる?
実は、薬局からもらった飲み残しの薬が有れば、使用期限内であれば余った分の薬代は基本的に差し引かれて安くなります。結構知らない方が多いことですが、使用期限が過ぎた薬を飲むことも危険です。
また将来同じ症状が出た時にと保管していく人も多いでしょう。しかし使用期限を過ぎて古くなった薬を飲んでも効き目は悪いです。早めに薬局に持っていき経費負担を軽くすることが大事です。
だんだん医療費が高くなってくると気軽に病院や薬局で薬も貰えなくなってくる心配がでてきます。
そんな意味から、薬局の仕組み、薬の知識を高めることにより国の医療費のことをもっと勉強することが大切になってきますね。