梅雨の時期、風邪が治ったはずなのに咳が止まらない。花粉症の季節は過ぎたのに鼻水が止まらない・・・なんてありませんか?この咳や鼻水は、これからの季節に急増するカビが原因なのです。
更に恐ろしいのは、毎年カビが原因でおよそ1000人もの人が命を落としているという事実。このカビが、いる家いない家様々ですがちょっとしたことで防げるのです。そんなカビの撃退方法をまとめてみました。
カビの基本的な原因とは
国の花=桜、国技=相撲、では、国のカビはなんだか知っていますか?国のカビ=「麹(こうじ)」です。この麹菌。学名では「アスペルギルス・オリゼ」といいます。酒・醤油など麹を使っていますが、外国では白カビでカマンベールチーズを作ったりしていますよね?「アスペルギルス・オリゼ」という麹菌を食品に使っているのは日本独特の文化なのです。カビの先祖は「プロトタキシーテス」といい、約4億年前から存在していたと言われています。カビは長い歴史を保ちながら絶滅することなく強い生命力を持ちつ続けているのですね!
カビは真空状態で死滅する?
料理で余ったものを、真空パックで保存することがよくあると思いますが、カビは真空状態で死滅するのでしょうか?いいえ!カビは真空状態でも強く生息しています。
カビは冷凍すれば死滅する?
料理で余ったものを、冷凍庫に保存しておけばカビは生えるのでしょうか?いいえ!カビは成長しませんがおとなしく生息しています。家庭の冷凍庫の中でもカビは増えませんが、カビは生息していると思ってください。
食品などカビが生えたものはどこまで食べられる?
食品などカビが生えたものは食べてはいけないというのは聞いたことはあるけど、お餅に付いたほんのチョットのカビならその部分だけを取り除いて食べていませんか?
誰でも一度は経験しているかと思います。お餅で1か所カビが生えた部分と、生えていない部分の両方をそれぞれ顕微鏡で見てみると、生えていない部分にも「カビの菌糸」がすでに生息しています。
カビが無いように見えても、実は内部でカビが根を張って広がっている可能性が多いのです。
カビは火を通せば食品は食べられる?
カビは火を通すと死にます。しかしカビが作った毒性は火を通しただけでは死にません。我々の体に影響するのは「カビの毒性」の方なので、カビのついたお餅を焼いても、そこにカビ毒性が有ればそれは壊れないまま食べてしまっているのです。実は、カビはキノコと同じ菌類。キノコにも毒性を持ったキノコや毒性を持たないキノコがあります。毒性をもったキノコは焼く・煮るなど、熱を加えても菌は死なずとても危険です。カビも同じなのです!お餅など一部でもカビが生えたものは食べないよう気を付けましょう!
カビの毒性の危険性とは
では具体的にカビの毒性とはどんな怖さがあるのでしょうか?1つに、カビの毒性は食べると「ガン」になる可能性があります。2004年にケニアで、カビが生えたトウモロコシを食べて125人が亡くなったという実話があります。海外の話だから関係ないと思っている方も多いと思いますが、いつ日本にも輸入食品から危険なカビが来るか分かりません。
日本にも危険な毒性を持つカビが
家の中の見落としがちな場所に危険なカビが潜んでいます。あなたのお宅は大丈夫でしょうか?では、危険なカビが潜む見逃しがちな場所とは・・・
洗濯機
毎日必ずよく行く洗面所にある洗濯機。表面上はキレイに見えるのですが、洗濯機の作りが細かくて手が入らなかったり目が行き届かない場所、特に裏側はカビが生えやすくなってしまいます。
この洗濯機には喘息の原因になるカビが
洗濯機にいる喘息の原因となるカビ、通称「黒カビ」と言われている「クラドスポリウム」が生息しています。洗濯機にそんな危険なカビが生息しているとなると、毎日の洗濯気になりますよね?カビは洗濯しても死にません。カビが生えている衣類を洗っても洗い流しているだけ。もちろん洗濯洗剤にもカビを殺す力はありません。
洗濯機にいるカビはどうすればいい
そのポイントは洗濯機の使い方にあります。洗濯機は水分が残ってとてもカビが生えやすい環境にあります。洗い終わった後の「石けんカス」が残ってしまいます。洗濯機は構造上湿気が溜まりカビが直ぐに繁殖してしまいます。しかし逆に湿気を取り除けばカビは簡単に撃退できるのです。
カビが生えない簡単な方法とは
洗濯機にカビが生えないポイントは、
①洗濯機のフタは開けっ放しにしておく。
②汚い脱いだ衣類は洗濯槽に入れず、洗濯カゴへ。
しかし最近ではドラム式の洗濯機はドアが邪魔してしまいます。密閉するのが一番よくないので、そういう場合には少しだけでも開けておけば良いのです。少しだけでも開けておくことで洗濯機の中は乾燥します。洗濯機のフタは使い時だけ閉めて、あとは常に開けっ放しにしておきましょう。最悪のケースは、汚れて湿気をおびた衣類を洗濯機に入れ、フタをしてしまう・・・これはカビが繁殖する大きな間違いです。とにかく洗濯機を乾燥させカビが生息しないようにすることが最大の撃退法になります。とても簡単なので直ぐ実践しましょう。
既にカビが付いてしまっている場合はどうするの
もうすでにカビが生えてしまった洗濯機の場合でも、実は簡単にできる方法があります。洗濯機の洗濯槽の掃除は、「お湯」をいっぱい入れ、市販の洗濯槽洗剤を入れて空で洗濯機を回す(洗う)方法です。水を使うよりお湯の方が汚れは落ちやすいので、必ずお湯を使いましょう。
リビングのカーテン
家族が多く集まるリビング、そのリビングのカーテンの裾が黒ずんでいることに気付いている方も多くいると思いますが、あれは汚れも含まれていますが多くはカビです。年間500人以上の命を奪う「アスペルギルス・フミガータス」という猛毒カビがいるのです。この「アスペルギルス・フミガータス」というカビは、私たちの身の回りにいるカビの中でも一番病原性が強いと言われています。人間は呼吸している時、ある程度カビも吸い込みます。気管支を通って肺に入ります。免疫力の弱い方が吸い込むと、それが肺の中でカビが生えてしまうことがあるのです。
免疫力がしっかりしていれば
そのままカビは吐き出されてしまいます。ただ肺に傷があったり、免疫力が落ちたりするとそこにカビが定着し、細胞を壊してしまうという恐れがでてきます。この「アスペルギルス・フミガータス」が肺で増殖してしまうと、細胞を壊して肺炎より重い呼吸障害を起こしてしまいます。そして恐ろしいことにカビが原因で亡くなられる方もほとんどがこのカビが原因となります。1年間でカビが原因で亡くなっている方は日本で約1000人と言われ、そのうちの半分がこの「アスペルギルス・フミガータス」で亡くなっています。
カーテンに生える危険なカビの撃退法はあるの
カーテンも洗濯をすればいいのですが、頻繁にカーテンを洗うのは大変ですよね?実はカビの弱点を知っていれば、もっと簡単にカビを撃退することが出来るそうなんです。
カーテンのカビが生えない家は、網戸も拭いていた
実はカーテンにカビがいなかった家では、網戸に付いたホコリを掃除していました。網戸は小さな目のところに土ボコリなどが溜まっています。その中にカビの胞子がたくさん含まれているのです。ですので掃除方法として、網戸を拭いてホコリを落とすということがいいでしょう。カビの多くは大気中に浮遊しており、ホコリなどが溜まっている場所に付着し、それを栄養分にして増殖していきます。ホコリが溜まる網戸は、カビが増殖するのに格好の場所ともいえます。特に窓をあける機会が多いこの季節は、網戸で増殖したカビは窓から部屋の中へ侵入し、さらには、カーテンに付着し家の中で増殖をはじめます。そのためカーテンなどで増殖しないためには、網戸のホコリを無くしてしまうこと!それが最高の撃退法なのです!
既にカーテンにカビがついてしまっている場合は
大変でしょうが梅雨に突入した今、是非洗濯してください!特に「塩素系の洗剤」を使うことによって、効果的にカビを落とすことができます。その後、網戸のホコリを付けないように拭き掃除をしておけば、カビの心配はなく安心です!
リビングのカビはエアコンも原因
リビングのもう一つのカビと言えば「エアコン」です。エアコンの内部は、冷房を使うと湿気でカビが生えやすい状態になっています。またフィルター部分はどうしてもホコリが溜まりやすい部分です。ホコリの中にはカビもいますので、そのカビを部屋中にまき散らしていることになってしまうのです。
エアコンのカビ対策はどうすればいいか
もちろん定期的にフィルターの掃除をすることなりますが、冷房で使うとどうしても中が湿気ってしまうので、エアコンの内部を乾かす必要があります。そのためには、エアコンを使い終わったあと直ぐ切るのではなく、出来れば30分位は送風でエアコンの内部を乾かしてやるといいでしょう!カビのエサともなるホコリや汚れは出来る限り溜めないようにして下さい。
台所の蛇口
台所の周りなどよくキレイにはしているけれど意外と見落としがちなのは台所の蛇口です。一見キレイに見える蛇口でも、蛇口の下側の部分は黒いカビが生えやすくなっています。梅雨の時期、風邪が治ったはずなのに咳が止まらない・・・なんていうことありませんか?これは、夏型過敏性肺炎の可能性があります。蛇口に潜んでいたのは「トリコスポロン」という肺炎の原因になる危険なカビなのです。このカビは水分を好むカビです。
なぜ台所の蛇口に危険なカビが繁殖するのか
その理由は、お皿を洗うときにどうしても食べ物のカスが跳ね返り、蛇口に残ってしまうからです。またシャワータイプだとその部分に水が溜まりやすく、栄養分と水分がそこに残ってしまい、カビが生える条件が揃ってしまいます。
台所の蛇口にカビが生えない家は食器を洗った後水分を拭いていた
普段、お皿を洗った後、最後に蛇口の裏も洗うと跳ね返りの汚れも同時にとることが出来ます。カビは水分がないと繁殖ができません。台所も水分がたくさんあるので、カビにとっては格好の住処なんですね。蛇口の水分を取ってやるだけでカビの増殖を防ぐことができるのです。是非今からでもやっておきましょう!
お風呂のシャンプーボトル
風呂場には、赤カビ黒カビなど様々なカビがいますが、シャンプーボトルには「エクソフィアラ」という猛毒カビが潜んでいます。もし小さな傷口から体内に毒が入った場合、初めは皮膚の表面に炎症をおこします。それが血液にのって脳に入り、最悪の場合、死に至る可能性もある「とても危険なカビ」といわれています。
風呂場のシャンプーボトルにカビがいなかった家とどこが違うのか
風呂場のシャンプーボトルにカビがいなかった家では、風呂上がりにシャワーで泡を全体的に流して、汚れが残らない状態にしています。特にシャンプーボトルの周りまで洗い流すということが疎かになりがちですよね?実は、洗剤にはカビは生えません。しかし洗剤の泡には、我々の皮膚のカスや脂などが含まれており、シャンプーボトルに付いたカスを栄養にしてカビが繁殖する原因を作ってしまいます。シャンプーボトルを洗わずそのままにしていると次に使う時カビの付いたものを頭に塗っている可能性がでてきます。そもそもお風呂は、温度・湿度・我々の垢などの栄養をもとにカビが育ちやすい条件が揃っています。カビのエサになる皮脂やアカなど絶対に残してはいけません。お風呂上りには泡を流すだけでもカビの増殖を抑えることが出来るので皆さんも今夜から実行してみましょう!
お風呂にできたカビ、力強くゴシゴシ洗うとカビは生えやすいか
風呂の浴槽など、カビが出来たらあなたは擦って落としますか?実は、ほとんどの人が知っていますが、擦ってはいけません。確かにゴシゴシ洗うことでカビそのものは取れます。しかし、特にゴム部分は傷がつき、カビの繁殖の原因になってしまいます。ここに傷がつくとこの細かい所に汚れとカビが奥に入り込んでしまいます。最初はきれいに落ちますが、それを何度も繰り返していくうちに傷はどんどん深くなり、中まで入ってしまうことになります。ゴシゴシ洗いしていないものと、ゴシゴシ洗いしたものを実験して比較してみると一週間後「ゴシゴシ洗いしたもの」の方がカビの発生率が高いことがわかります。
お風呂のカビ掃除の仕方
お風呂のメジの掃除は、カビ取り洗剤をかけたら乾ききるまでずっと放置してください。特に汚れがひどい場合は、ラップで覆いましょう。そうすることによりカビ取り剤がカビの根っこまで浸透していきます。
既にゴシゴシ洗ってしまった場合
既にカビ掃除でゴシゴシ洗ってしまった場合は、メジ等に100均ショップで売っている補修材を使い傷を埋めると良いでしょう。
カビ取り剤の前に水をかけるほうがいいのか
意外とカビ取り剤の前に、水をかける人は多いけど、実は水はかけない方がいいのです。水でカビの胞子が飛び散り、むしろ逆効果になってしまいます。
カビの菌はどこから来る?
カビが一番多いのは、土の中です。それが土ぼこりなど風にのってお風呂に入ってきます。そのカビは最終的にどこに行くかと言うと、カビの菌が残るのは「天井」だと言われています。なぜ天井かと言うと、なかなか増えないのですが、天井は見づらい、掃除をしない、手も目も行き届かない・・・という理由からいつまでもそこに残っているという結果なのです。
お風呂掃除はどこから洗った方がいいのか
結構みなさんは、壁から・・・とか、床の隅から・・・という意見が多いのですが、実は、天井から洗うとカビ防止になります。いくら周りの床や壁をキレイにしても、掃除している間にカビの胞子が天井から落ちてきてしまうので天井から洗うようにした方がいいでしょう。気が付いたらカビ➡天井にカビがいると考えられます。天井は掃除しにくいのですが、水分を拭き取りだけでも随分違ってきます。
カビのまとめ
ここで、カビが生息する大きな違いが出てきます。それは、「専業主婦がいる家」「一人暮らしの家」で大きな違いが出てきます。やはりカビがいなかったお宅というのは「専業主婦がいる家」です。
それはなんといっても、普段誰か人がいる家はカビが少ないといいます。それは、部屋を閉めっぱなしにしない。掃除をするしないという以前に、常に換気が行われている事が一番大きいと思います。
現代では、なかなか窓を開けて外出もできない環境であるがために、一人暮らしのお宅はカビが生えてしまう環境になってしまうのですね!カビが生息して病気にならないよう、出来る限り換気をしておくなどして、常に体調管理に気を付けましょう!
少しでもお役に立てれば幸いです。