日本人にとって夏にはお盆という行事が必ず訪れてきます。特に田舎のお盆期間は旧暦で行い2018年は8月13~15日迄です。
今年2018年は11日(土)が山の日で祝日となり大型連休が期待される期間でもあります。そんなお盆ですがどの家庭でも先祖供養として年に一度の大事な行事となっています。
お盆期間中は、お盆飾り・墓参り・迎え火・送り火・盆踊り・精霊流し・大文字焼きなどの行事があります。そんなお盆になると見たり聞いたりすることですが、それにはどんな意味があるのでしょうか?
そこで今回は、お盆の意味やその由来を簡単にわかりやすくまとめてみました。
お盆の由来には深い意味があり先祖供養は大事
お盆の由来は、怖いという意味があり「逆さ吊りの苦しみ」という言葉が存在します。
お盆はもともと仏教の行事「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と呼ばれ、苦しみから救う仏教行事で旧暦7月15日に行われるものです。
この行事がインドから中国を経由し日本へ入り、日本は元々ご先祖様を崇拝する考え方があるました。
そこで、先祖の供養をしよう!墓参りに行こう!となり「仏教行事」と「先祖崇拝」の考え方が合体したと言われています。
「盂蘭盆会」の「会(え)」・・・・・行事のこと
「盂蘭盆会」の「盂蘭盆(うらぼん)」はインドの言葉、サンスクリット語でウランバーナといいます。
ここでお盆の名前が付いた意味として、逆さ吊りの苦しみ・甚だしい苦悩を「盂蘭盆」ウランバーナの所に「盆」という字をあてただけなのです。
特にこの「漢字」には意味はありません。
お盆は本来8月ではない!? 勘違いが引き起こす墓参りの意味
もともとお盆は7月15日で昔の暦です。
現在は新暦になりこれまで通り7月15日に墓参りやお盆行事をやるとなると農家の方が「まだまだ農作業が忙しいではないか?」と言って、7月ではなく8月の15日にやろうと意見が分かれていました。
よく東京都内のお盆期間は7月13日から4日間行い、全国的にみると8月13日から4日間の期間で行われる地域が多くなりました。
陰暦の日取りをそのまま受け継ぐ七日盆の場合、お盆は七夕の日がお盆の始まりであるとされ、7月7日の七夕の日に墓掃除やお墓参りに行くと道の草を取ったり仏壇の道具類を磨き始めるというような事も行います。
お盆期間に田舎に帰省するのは、お盆の墓参りに行くといった意味合いがあってのことで、墓参りが帰省のついでではないということです。結構勘違いしている人が多いですね。
お盆によく見かける「キュウリ」と「ナス」の意味と由来
お盆になると盆飾りのひとつとしてよく見かける「キュウリ」と「ナス」。「キュウリ」と「ナス」には深い意味や由来があるのです。
お盆には亡くなったご先祖様が戻って来ると言われています。そこで迎え火を焚き、それぞれ馬と牛に見立て
「キュウリ」は、お迎えの車として、馬に乗って少しでも早く来てほしい!という意味があります。
「ナス」は、お送りの車として、牛に荷物を沢山積んでゆっくり帰ってほしい!という意味が込めらえ、それぞれにこういった由来があったのです。
お盆飾りにパプリカやズッキーニではダメ?なぜ「キュウリ」「ナス」?
キュウリやナスは丁度この時期の旬野菜であり、どの家庭でもたくさん有るからといわれています。
そこに割りばしなどで足を作り、お盆飾りには欠かせないアイテムのひとつです。近年ではキュウリやナスの代わりに、藁でできた馬牛のお飾り品もお盆飾り用品の一つとして販売されています。
ある地域では、先祖がキュウリの馬に乗り、荷物を牛のナスに乗せて帰って来るという諸説もあります。
飾る方向もお盆期間中までは遺影の方を頭にして飾り、お盆期間最終日に送る時は頭を外にしてお盆送り「精霊流し」をします。
その地域によって変わった飾り方もあると思いますので、ひとまず参考まで・・・。
なぜお盆に火をたく由来とは? 迎え火や送り火の意味
お盆に家の外で火をたく風景、若い方でも近所やニュースで見た事もあると思いますが、この意味知っていますか?
これもまたお盆の期間中地域によって様々ですが、8月13日に墓参りには家族全員で行き、合掌礼拝し線香や水を手向けます。
お墓が菩提寺の寺内にある場合は仏前の日をいただき、それを提灯の中に入れその灯で先祖の霊を自宅まで導くというのが正式な「迎え火」の由来です。
現在では、車社会となり危険を考慮してお墓参りの後自宅の門口で「ここがご先祖様の我が家ですよ」と目印として火を焚くことになりました。
この迎え火の変形として有名なのが盆提灯と言われるものです。このお盆期間中にやってくる先祖の為の目印や、またその家の中に祖霊が滞在している印であるとされ、鎌倉時代からこの盆提灯の風習は行われていたのです。
そしてお盆期間最終日の8月16日には「送り火」として家の外で火を焚きます。「この煙に乗ってお帰り下さい」と言い伝えられており、「あの世に帰る道を照らす」という意味にもなっています。
お盆の送り火行事の由来とは
あの世への旅路の安全を促す「京都・五山の送り火」大文字焼は大規模な送り火行事としても大変有名です。
そしてまた「長崎・精霊流し」は、かつて船を海に流していたことでも有名です。
つまり、「あの世は山の向こうなんだ」と思う人は・・・山に送り火
あの世は海の向こうなんだ!と思う人は・・・海に送り火として「灯篭流し」や「精霊流し」などとして、風習行事が生まれてきたわけです。
お盆期間中の盆踊りの意味とは
お盆期間中、里帰りした人にはチョット楽しみな盆踊り。都会ではなかなか見られなくなりました。
実は、盆踊りは単なるお祭りではありません。
戻ってくるご先祖様をお出迎えをするとか接待をするというもので、霊を慰めるために皆で楽しく踊るという意味や、あるいは手を合わせる動きに霊を供養する意味でもあります。
近年では、今年1年の間に亡くなられた新盆供養もこの盆踊りと抱き合わせて一緒に供養する地域も多くなってきています。
一時期では、盆踊りにAKBの「恋するフォーチュンクッキー」など取り入れている所もあるようですが、それは本当の盆踊りの意味からかけ離れています。
日本人は昔からご先祖様を大切にする文化を大事にしてきました。
お盆は先祖の御霊をこの世に迎えておもてなしをし、
「私たちは元気に遣っているよ!」と安心してもらい見送る行事でもあります。
皆さんも先祖に感謝し、
両親や家族を大切にして日常を過ごしていくことが良いのではないかと思います。