中華料理店に行き、メニューを開くとニラレバ炒めと記載してありますが、友人の旦那さんはこの「ニラレバ炒めをレバニラ炒めと表現している~」などと必ず話題になる事があります。
「ニラレバ」と「レバニラ」この2つの言葉どちらが正しいのか、そしてその違いを皆さんは説明できますか?
今回はそんな身近にある中華料理店で仲間と紛争にならないために、ニラレバ炒めとレバニラ炒めの何が違うのかを紹介したいと思います。
料理は同じなのにニラレバをレバニラと言う違い
皆さんはそもそもこの2つの言葉には、
ニラの中にレバーが入っているのか?
レバーの中にニラが入っているのか?
その分量で表現の仕方が変わるのか?・・・などと思っていませんか。
料理の食材はどちらも牛レバーや豚レバーをニラやショウガと炒め、塩コショウそしてしょうゆなで味付けしたもの。各中華料理店などでは、ニラレバーとかニラレバ炒め、レバニラ炒めなど表現は様々ですが、実際に注文してみると食材もモヤシやニンジン、キクラゲなど見た目はほぼ同じなのです。
ニラレバとレバニラの呼び名の違いとは
では全く同じ料理なのになぜニラレバとレバニラの呼び名が2つ有るのでしょうか?
この料理はそもそも中国から伝わってきているので
「韮菜猪肝(チュウツァイジュウガン)」
という名前であり、直訳すると「ニラ」と「レバー」で、正式な呼び方は「ニラレバ」なのです。
しかし、街中でアンケートを取ってみると50人中42人と、圧倒的にレバニラ炒めと答えているのです。
日本人はなぜニラレバをレバニラと呼ぶのか?
正式な呼び方は「ニラレバ」ですが、「レバニラ」という言い方が広まったのは当時の人気アニメ「天才バカボン」だと言われています。(諸説あり)
天才バカボンは当時の日本人が熱狂した赤塚不二夫原作のギャグマンガ。
天才バカボンのあるシーンがきっかけで多くの日本人がニラレバを「レバニラ」と呼ぶようになったのです。
バカボンのパパがレストランに行った時にニラレバ炒めのことを
「レバニラ炒めはないのか?」
と間違って連呼していたのです。
当時の日本では、ニラレバ炒めというものは現在ほど馴染みが無かったのです。
実はこの料理が日本へ伝わり「ニラ」が日本の一般家庭に普及したのは1960年(昭和35年)以降で、徐々に一般家庭でも作られるようになったと言われています。
しかし、国民的人気アニメだった天才バカボンの影響で、日本人がこの料理のことをレバニラ炒めだと思い込んでしまい、これが全国的に広がってしまったというわけです。
赤塚不二夫原作の「天才バカボン」は1967年(昭和42年)に週刊マンガ連載がスタートし、1971年(昭和46年)にはテレビアニメも始まりました。
その後も、テレビ番組の中で何度も「レバニラ炒め」という台詞が登場し、度々再放送された事で意外にも益々「レバニラ」という言葉が広がってしまったのです。
更には、日本人にとって ニラレバ のように「ラ」「レ」の音が連続するラ行の音は発音しづらいのです。
その点からラ行が離れているレバニラの方が発音しやすいという理由も相まって、日本人にとって定着して行ったのです。
バカボンのパパはなぜニラレバをレバニラと逆さにしたのか?
天才バカボンのパパは「日は西から登り、東へ沈む」と考えるような人物で、よく逆の言葉を言うといった事からこのようにレバニラ炒めが出来たという説があるのです。
栄養価が高く、家庭料理としても親しまれている「レバニラ炒め」。
レバーに豊富に含まれる「ビタミンB1」と、ニラに含まれる成分「アリシン」を一緒に摂取するとビタミンB1の吸収率が高まり疲労回復に効果があります。
またレバーには「ビタミンA」や「鉄分」、「葉酸」なども豊富ですから、ニラレバ炒めは栄養価の高い料理なのです。
赤塚不二夫氏原作の国民的アニメ「天才バカボン」にニラレバ炒めが絡んでくるなど、その歴史的影響はユニークでスゴイですね。