お子様にも大人気の回転寿司に行くと殆どの寿司ネタの名前が、
まぐろやえび、あなご、はまちなどどれも日本語で表示されていますが、
サーモンだけ英語で書かれています。
皆さんは気づいていましたか!?
殆どの寿司ネタが日本語なのに鮭だけは日本語ではなく英語でサーモンと表示しているのはどういうことなのでしょうか?
お子さんにも人気のサーモンですが、回転寿司で鮭をサーモンに変えて出されている理由、知っているようで知らない鮭とサーモンの違いを簡単に説明したいと思います。
回転寿司で鮭をサーモンと書いてあるのはなぜ!?
日本語の鮭は英語に直すとサーモンですが、皆さんは鮭とサーモンは同じものと思っていませんか!?
実は日本では、この鮭という名前とサーモンでは大きな違いがあるのです。
その大きな違いとは
鮭 ➡︎生で食べられない
サーモン➡︎生で食べられる
そのことから、回転寿司に並んでいるのはほぼ生の魚という事から、鮭ではなく生で食べられるサーモンなのです。
鮭は生で食べられないのに、なぜサーモンは生で食べられる!?
一般的に鮭と呼ばれるものは天然物であり、鮭は餌としてオキアミを食べています。このオキアミはたまにアニサキスという寄生虫を食べてしまい、鮭の体内でアニサキスを宿してしまうのです。
よって、天然の鮭を人間が生で食べると腹痛になったりするので基本的には火を通して食べないといけないものなのです。
一方、サーモンは全て養殖したもので、餌を魚粉とか植物性たんぱく質を混ぜたペレット状の餌を与えているため、アニサキスのような寄生虫は絶対に入らないと言われています。
よって養殖のサーモンは全て生で食べられ、生食用に養殖した鮭のことを日本では「サーモン」と言い、サーモンはすべて養殖のものをいいます。
天然物は鮭、養殖用はサーモンとわざわざ名前を変えている回転寿司での由来とは!?
そもそも昔の日本では生で食べられる洋食用のサーモンはなく、基本的には加熱して食べる天然の鮭しかありませんでした。
しかし、鮭・マス類の漁獲量生産量ランキングとして2017年世界一のノルウェーでは1970年代から鮭の養殖が盛んとなり、鮭を生で食べられるようになったのです。
そこで1986年ノルウェー人のビョーン・エイリク・オルセンさんは、
『養殖した生の鮭を日本に持ち込めば売れるかもしれないぞ!!
でも寄生虫がいると思ってみんな買わないのでは?』
『じゃぁ鮭と区別してサーモンとわかりやすく名付けよう』と発案
そこでオルセンさんが1980年代、安くて新しいメニューの開発に挑戦していた回転寿司チェーンに目をつけ、サーモンのお寿司を売り込んだところ大ヒットとなったのです。
その後も、回転寿司店に当時ノルウェーの首相イェンス・ストルテンベルグ氏が訪れ、直々にサーモンのお寿司を振舞うキャンペーンを行ってきました。
また、サーモン寿司のプロモーション映画を行ったり、ノルウェーの国を挙げてサーモンのお寿司を大アピール。
この地道な努力が実を結び、ビョーン・エイリク・オルセンさんが初めて日本にサーモンを持ち込んで約30年が経過し、
今では回転寿司でよく食べる寿司ネタランキングで、まぐろ赤身やマグロ中トロを抜いて8年連続第1位。
まさにサーモンは回転寿司の顔となったのです。
ビョーン・エイリク・オルセンさんが当時居なかったら、我々日本人は今頃サーモンは食べられなかったのですね。
実は、現在日本でもサーモンの養殖が各地で行われ、全国で80種類以上の御当地サーモンが作られているようです。
代表的なものでは、愛媛県の水産業者とくら寿司が共同開発した宇和島みかんサーモンがあり、
餌の中にみかんのエキスを混ぜたほんのりと柑橘の感じのあるお寿司です。
機会があったら一度回転寿司でご賞味ください。