厚生労働省の腰痛に関する調査によると、日本人の腰痛人口はおよそ2800万人、全体の4人に1人が腰痛に悩まされていると言われています。
そんな中、腰が痛い人は、1日の中で1番腰が痛くなるのは何時なのでしょうか。
20代から50代の人まで聞き取り調査をすると50人中32人が、明日起きてからの方が腰が痛いと回答する人がほとんどでした。中には何十年もその状態で過ごしたと言う人も居るくらい悩んでいるのです。
さらに、1日の内で腰痛の発生をを時間帯で見てみると、朝の8:00〜10:00が圧倒的に多いようです。
では、なぜ朝、腰が痛くなり起き上がれないのでしょうか?
そこには意外な原因があったのです。
朝起きて腰が痛くなって起き上がれない人と、腰が痛くない人の違いを紹介したいと思います。
朝起きて「腰が痛い人」は寝返りの数が少ない!?
朝腰が痛くなる原因は寝ている時のあることが関係しているといいます。
そこで、腰が痛くない人と腰が痛い人を夜11時から朝7時までの8時間寝てもらいその経過を調べてみると大きな違いがあったのです。
朝腰が痛くない方は一晩で37回の寝返りを打っていました。
一方、朝腰が痛い人は、一晩でたった4回しか寝返りを打っていなかったのです。
朝起きて「腰が痛い人」は圧倒的に寝返りの回数が少なく、それが原因ですぐに起き上がれないという結果に繋がっているのです。
なぜ寝返りが少ないと朝腰が痛くなって起き上がれないのか!?
寝返りの数が少ないほど朝になると腰が痛くなると言うことは一体どうしてなのでしょうか。
その理由としては、通常人間は仰向けで寝るのが一般的ですが、実は内臓の動きが問題なのです。
上記の写真のように、仰向けの状態が続くと、内臓が腰を圧迫して血管が潰された形になってしまいます。
そして我々の内臓や内臓脂肪というのは、体重の約4割あると言われており、体重が50キロの人は約20㎏のの重みが腰に長時間負担をかけているのです。
尚且つ、寝返りの少ない人はこの状態がずっと長時間続いている状態であり、背中にある血管が押しつぶされ筋肉が炎症を起こし、朝起きた時「腰が痛いなあ~、とっても起き上がれない」という現象に繋がってくるのです。
一方、寝返りを多くうつ人は、寝返りにより内臓から血管が圧迫される時間が短いため、筋肉に炎症を起すことが無く、腰も痛くなく朝起き上がれないという心配もありません。
寝返りの回数が少ない人がいるのは一体なぜ!?
一口に言えば、全身の筋肉がこわばってしまうと寝返りがしにくいという現象になってしまうからです。
日頃、体を動かしていないと筋肉も固くなってしまうように、普段動かしていないと「寝返りもできなくなってしまう人」になってしまいます。
寝返りを打ちやすい体にするためには、全身の筋肉を柔らかくする必要があります。
朝腰が痛くなって起き上がれないのなら横を向いて寝ればいい!?
横向きで寝た場合、内臓の重さが腰にかかることはありませんが、長時間同じ体勢のままだと背骨は真っ直ぐな状態を保てなくなってしまいます。
すると、背骨が曲がり筋肉にも負担が掛かってしまう為、同様に朝腰が痛くなり起き上がれない場合も出てきます。
横向きで寝ていても、寝返りだけは頻繁に打った方がいいようです。
また、うつ伏せで長時間寝た場合も、背骨が反りすぎて腰に負担がかかり、朝起きた時に腰が痛くなってしまいます。
つまり、「仰向け」「横向き」「うつ伏せ」どの体勢で寝るにせよ、朝起きて腰が痛い、起き上がれないという事が無いよう寝返りを多く打つことが重要なのです。
「寝たまま体操」で腰の痛みを改善できる!?
寝返りを打ちやすい体にするためには、全身の筋肉を柔らかくする必要があり、寝返りを打つのに重要な肩と腰の筋肉を効果的にほぐす体操を紹介します。
肩の筋肉をほぐす寝たまま体操の手順
- 膝を立て、寝たまま頭の後ろで指を組み、肘を立てる
- 口から息をふ~っと吐きながら、肘を床に押しつけるように開く
- ヒジを床に付けたまま5秒間キープする
このストレッチを寝る前に5回(25秒)行うことで肩の筋肉をほぐすことが出来ます。
但し、体操で痛みの範囲がひろがる方は、整形外科などを受診し医師の診断を受けて下さい。
腰の筋肉をほぐす寝たまま体操の手順
- 片足を立てて、体の反対方向へ置く
- 足を倒しながら、体をゆっくりひねる
この時、腰の筋肉を伸ばすよう意識しましょう。
この体勢を10秒間キープしたら、反対側も同じく10秒間、左右合計20秒間ストレッチを行います。
この方と腰の寝たまま体操合計45秒を毎日行い、2週間続けることにより、
筋肉がほぐれて寝返りが打ちやすい体になり、朝腰が痛くて起きられないという事が解消されるのです。
あくまでも効果には個人差がありますので
無理せず行って下さい。
2週間はとても長いですが、毎日少しづつ続けることにより
いつの間にか、朝腰が痛くて起き上がれないという悩みも忘れてしまいますよ!
是非、皆さんも試してみてはいかがでしょうか?
(カイロプラスティック院 院長 姿勢教育指導士 碓田拓磨先生)