昔、街中を金ピカど派手に走っていた宮型霊柩車、最近では全くと言っていいほど見かけなくなりました。
私も葬儀社勤務だった頃は、車種も国産宮型霊柩車(クラウン)やアメ車で有名なキャディラックやリンカーンの宮型霊柩車を毎日のように運転していました。
キャディラックはバンパーがごっつくて車体もデカい。
宮型ですから前から後ろまで屋根には金の竜飾りを載せ、街中を走っていると遠くからも目立つので、すれ違う車からとても視線を浴びていましたね~(笑)
あの宮型霊柩車どこに行ってしまったの。廃車?隠し倉庫?
かつて、昭和の時代には当たり前に走っていた宮型霊柩車は、火葬場を新設する際に自治体、地域住民に出入りを反対され出入り禁止になった事で全国的に見直しが行われました。
それにより今まで葬儀社独自で保有していた宮型霊柩車は洋型に改造したり、宮型霊柩車を下取りし洋型霊柩車を新車で購入する方向に変わってきました。
読者の皆さんは知らないと思いますが、元々宮型も洋型も、国産で初めから作っているわけではなく、先ずは車両を購入し専門業者により屋根からボンネット付近まで切り取ってしまいます。
その後金ピカの御宮や洋型の革張りに改造していくのです。
宮型霊柩車が生まれ変われたら、葬儀も変われるの?
国産車の場合だと大きい棺箱(柩)が車輌サイズ不足で入らない為、シャシから30~50㎝伸ばす改造もありました。
キャディラックやリンカーンなどは運転席から後ろのトランクまでが長いので車体改造なして御宮など載せられるわけで、そのせいか外車が多かったのでしょうね。
そして昔の宮型霊柩車はというと、車輌自体がまだまだしっかりしていれば、宮型を外し洋型に改良出来るわけで。
そうすればコストも安く済むのですが、葬儀社は新しいものが好きです。
改造するくらいならこの際だから洋型霊柩車の新車にしちゃえ~と購入ラッシュが始まりました。
いやいや葬儀社が新しい物好きは間違いでしょうか?
新しい物を入れると葬儀をするお客さんが喜ぶのです。
その喜んだ姿を見て葬儀社が満足げになると言った具合ですね(汗)。
宮型霊柩車から洋型霊柩車へ、動かないのはもっと無駄!
昔の外車は今はもう廃車してなかったり、国産のクラウンクラスだと改造したりして今も走っているかもしれません。
現在は宮型を作る職人さんも減ってしまったり、コスト面で葬儀社が持ち続けることが困難であること。
そして近年家族葬など小さいお葬式が増え、宮型霊柩車どころか洋型霊柩車も利用しないというのが現状です。
病院から自宅まで搬送するバン型霊柩車を、火葬場にも使用するというお粗末な風習は今後どうなっていくのか不安要素がいっぱい。
私なら葬儀規模大小に関わらず葬儀社の看板と思って「お客様にはセット料金で利用して頂く」・・・そんな、ほのかな思いを抱いています。
だって動いていても動かさなくても高い税金払うなら同じこと・・・動かしてもっと喜ばせて上げましょう!