会葬礼状とは、葬儀の際に弔問客に対し御礼の気持ちを表すお礼状のことをいいます。以前は故人の経歴を表現したオリジナル会葬礼状が一時期ブームになっていました。
しかし近年では、家族葬も多く葬儀規模が縮小し、会葬礼状すら作らないご家庭も増えています。作っても家族以外に渡す機会がないからでしょう。ですがそれでいいのでしょうか。
会葬礼状は葬儀の記録でもあり、親族や弔問客の勤め先などの証明書代わりにも使えるのです。これは遺族目線であるがゆえの会葬礼状になっており、故人や会葬客に対しての目線で作成していない傾向にあります。
特に昔から会葬礼状を頂いても見ないで直ぐ捨ててしまう方もいますよね。そんな非常識な方にも、大事に一度でも見てほしいこれからのオリジナル会葬礼状の在り方にフォーカスしてみました。
会葬礼状はオリジナルで故人の想いを大切に
会葬礼状を作成する場合は、ほとんどが葬儀を施行する葬儀社が作成します。または原稿だけ作成受注し、その後印刷業者に外注する場合もあります。しかし、会葬礼状がオリジナルの場合、そのオリジナル会葬礼状の専門業者に全てお願いしなければなりません。ですが、もし家族から特別な注文を入れられたら、既存のオリジナル会葬礼状になってしまい、家族の願いは叶わなくなる恐れもあります。
会葬礼状は自作でオリジナル感を引き出す
そこで、オリジナル会葬礼状は、出来れば故人の写真は必ず入れるべきです。故人の顔写真を入れる事により、会葬礼状は弔問客にとっても今以上に大切に扱われるはずです。せっかく施主側で作った会葬礼状が、見るか見ないうちに「ゴミ箱行き」は悲しすぎます。
会葬礼状はオリジナルの文面を入れる
昔からの会葬礼状は定型文で文言もほとんど同じでした。オリジナル会葬礼状は故人の経歴や趣味、特技などあらゆるものを文章の中に入れ込めます。近年では、会葬礼状を専門に作成するライターもいる時代です。
そんなオリジナル会葬礼状を扱っている葬儀社に依頼すれば、手間いらずで作成する事ができます。
会葬礼状に入れる家紋や葬儀日、死亡日や年齢に工夫を
会葬礼状の文面には「故人と喪主との続柄」「故人氏名」「仏式では享年」「葬儀日」「葬儀式場」「家紋」あげくの果てに会葬礼状を作成した「葬儀社の社名」などまで印刷されて出来上がります。
しかし、「これは要らないんじゃないの?」と思わせるものも印刷されますよね。弔問客にとっては不必要なものが多すぎると思いませんか。私の個人的な意見ですが、次の様に改良したら興味を持つ会葬礼状が出来ると思います。
「家紋」は不要 → 代わりに「故人の写真」をモノクロで入れる
「故人と喪主との続柄」は不要 → 遺族(家族)からみて誰かをオリジナル文章の中に入れてしまう。
「享年」は不要 → 享年表示の場合は、満年齢+1歳か2歳年齢が高く表現されるので、女性の方の場合1歳でも低く年齢表示してもらいたいもの。出来れば、昭和〇〇年〇〇月〇〇日~平成〇〇年〇〇月〇〇日 満〇〇歳 と表記すべきです。こうする事により誕生日から死亡日まで一目瞭然となります。外国のお墓と同じ感覚と思って頂ければ結構です。
喪主の名前の他に、家族の名前はフルで入れる → これは弔問客でもよく話題になりますが、〇〇家の葬儀に行っても誰の関係でお悔やみに行ったのかわかりずらい場合があります。
例えば、喪主から見て父が亡くなった会葬礼状の場合
喪 主 〇〇〇〇
妻(故人の妻) 〇〇〇〇
喪 主 の 妻 〇〇〇〇
長 男 〇〇〇〇
長 男 の 嫁 〇〇〇〇
長 女 の 夫 〇〇〇〇
長 女 〇〇〇〇
など、地方により、男・女などと表現する所もありますが、子供が2人位だったらこのくらいのスペースは確保できるはずです。これにより弔問客が頂いたときに、「〇〇さんの関係でお悔やみに行った」という記録になり喜ばれると思います。
会葬礼状は1枚から作成可能。100枚単位を廃止すべし
会葬礼状は印刷の関係もあり、ほとんどが100枚単位で作成されます。中には50枚・30枚と印刷してくれる葬儀社もありますが、100枚でないと印刷できない訳でもありません。
校正料が1枚単価にすると高くつくために、葬儀社は100枚からと宣伝しているだけです。家族葬が多くなってきている近年、枚数は1枚単位から印刷をお願いしたいものです。
会葬礼状のQ&A
会葬礼状のQ&Aに掲載されていた一例を紹介します。
会葬礼状に載せてある喪主以外の人の続き柄って、喪主から見た関係で記載している場合と故人から見た関係で記載している場合がありますよね!
亡父 〇〇 ←ここは必ず喪主からみた関係
喪主 〇〇
妻 〇〇 ←ここから先の見方、続き柄の書き方が処によってかなり変わってる。
兄 〇〇 ←誰の?
「故人(喪主の)妻」のようにはっきり書いていることも。
その土地の習慣にもよるものなんでしょうけど。本来の文法というか手紙や礼状の書式としては、喪主と故人のどちらを中心に書くのが正しい書き方なのでしょうか?御礼を述べているのが喪主だとすると、喪主が中心のような気もするし。私も御礼を言いたいと礼状に名を連ねているなら、読み手に判りやすく故人との関係性を書いているのも不思議じゃ無いし。でも、故人は喪主との関係を示しながら他は故人との関係を書くようでは一貫性が無いような。
引用元:hoidemoyoさん
地域により、使い方呼び方まで違ってしまう所があります。基本は故人中心ですから、喪主からみての続柄は家族も同じく統一した表記にした方が分かりやすいですよね。
ここまでいかがだったでしょうか。葬儀も葬儀社中心で作成されることが多く、なかなか家族の要望は聞き入れてもらう事は困難です。しかし家族葬が増えてきている近年、祭壇にお金を掛けても、会葬礼状にはシビアです。弔問客にも故人の知らない想い出や経歴などをもっと知ってもらうことも大切です。
さらに喜んでもらえるようなオリジナル会葬礼状を企画提案し、需要に応じた礼状を作成することも葬儀社の使命だとも思っています。
皆さんももし時間が有れば、大切な方のオリジナル文面や記念の写真など万一の時のために準備しておくことが必要ですね。少しでもお役に立てれば幸いです。