昔から箸さばきでその人の性格や人柄がわかると言われていますが、日本人である皆さんは正しい箸の作法キチンと出来ていますか。
外国人がよく食事の時に疑問に思うことが日本の箸の風習であり、箸を舐めたり人の箸から物を取ったり何が悪いのかわかりません。
やってはいけない箸の作法は「嫌い箸」と呼ばれ、なんと80種類もあるのです。
日常生活の上で箸の使い方は大丈夫と思っていても、それマナー違反となるものが沢山あるという事になります。日本人でも難しい正しい箸の作法と間違った箸の作法を解説していきます。
ついやってしまいがちな間違った箸の作法
1、揃え箸
2本の箸が揃っていない時、箸先で食器で揃える行為はNGです。
箸先や食器を傷つけてしまうので、箸先がずれた場合には両手で揃えるのが正しい作法となります。
2、寄せ箸
食器が届かない時、箸で食器を引き寄せる行為。箸は料理をつまむものです。
見た目にもとても行儀が悪いのでやめましょう。
日本人なら知っておくべき、食べる時に遣ってはいけない箸の作法
1、探り箸
器などに入っているおかずをよけて食べ物を探す行為。
綺麗に盛り付けた料理を崩す事になってしまいますので、上から順に取るのが正しい作法となります。
2、渡し橋
箸置きがない時、箸を皿の上にまたぐように置くのは、そもそも食事の終わりを意味するものです。さらに、この渡し箸は「三途の川」をイメージするという事から嫌われます。
元々日本の箸はただの道具ではなく昔から神様にお供えする時は、取れた作物と一緒に箸もお供えすることから、箸は神様と人間を繋ぐものとされていました。その為、そんな箸を皿の上にまたぐように置くと、皿が三途の川を連想させるという事になるので、箸の作法として嫌われてきたのです。
もし、食事の休憩で箸置きが無い場合は、自分の口を付けた所をテーブルの上にそのまま置くのは失礼にあたるので、汚れた部分は皿に立てかける様にするのが良いようです。
3、すくい箸
豆腐を食べるとき、スプーンの様に箸ですくって食べる行為はNGです。箸というのは摘んで丁寧に頂くものですので、豆腐の場合一口サイズに切ってから挟んでしっかり摘んで頂きましょう。
また似たようなもので「茶碗蒸し」がありますが、茶碗蒸しはそもそも汁物なので、火傷をしないようにかき混ぜて冷ましてから直接器に口を付けて飲んで構わない物なのです。決しておかずの分類ではありません。
4、逆さ箸
箸を逆さにし持ち手の方で料理を取る光景をよく目にしますが、これは逆さ箸と言いNG行為なのです。
手で触れた部分で料理を取ることは非衛生的であり、さらに箸の両側が汚く見えてしまうので、やってはいけない箸の作法なのです。
5、拝み箸
食べる前に箸を横にして合掌しながら「いただきます!」という行為は拝み箸といい、やってはいけない作法になります。
箸先が隣りの人に向くのは失礼に当り、さらに合掌する時に物を持つのは良くない食事の作法にもなっています。
日本人なら知っておくべき、汁物を飲むときに遣ってはいけない箸の作法
持ち橋
箸をお椀に添えて汁物を飲んではいけません。
箸先が他人の顔に向くよう箸を持ちながら同じ手で汁を飲んではいけません。
涙 箸
箸先からポタポタと汁が垂れる行為も涙箸といい、やってはいけない作法の一つです。
箸先を入れたまま汁物を飲むのは、美しい所作となります。
箸先が他人に向かないし、具材を抑える事にもなり、箸先からポタポタ垂れることもありません。
割りばし
割り箸を左右に割る行為は、勢い余って脇の人にぶつかってしまうかもしれず、食器やグラスを倒す危険もあり危ないのです。
この場合、割り箸の割り方はテーブルの下(膝の上)で「上下に割る」ことが好ましいようです。
因みによく使い終わった割りばしを、箸袋に戻す人がおりますが、これは作法的に間違ってはいません。しかし新品なのか使い終わったのか区別するために箸袋の先を折って「使いました・ごちそう様でした」と置いておくとお洒落にもなります。
また、箸置きが無い場合、箸袋で代用する時は、
「結び」にして箸先を隠すように置けばシンプルで美しいようです。
このように、日本人でも分かっているようで
箸の作法にはまだまだ沢山あるのですが、
最低でも以上までの作法は覚えていても損はないようです。
公の場で恥をかかないようしっかり覚えておきたいものですね。
少しでもお役に立てれば幸いです。