各地のスーパーに行くと今が旬の大きなトマトや小さなミニトマトがたくさん並んでいます。ところで皆さんは小さなトマトのことを通常何という呼び方していますか。
街角でアンケートを取るとプチトマト26%、ミニトマト24%と意見が分かれました。
多くの人はミニトマトもプチトマトどっちも同じ物という認識もありますが、実は明確に違いがあり、正しい呼び方でもないのです。
今回はそんなミニトマトをプチトマトの違いにフォーカスし、正しい呼び方や年々新しく変わっていく知識を学んでいきましょう。
ミニトマトとプチトマトの呼び方、実は違うもの!?
幼少期の頃からプチトマトという呼び方で育ってきた方も多いと思います。
- ミニトマト・・・小さなトマトの総称(重さ10~20g程度)
- プチトマト・・・ミニトマトの品種のひとつで「種の商品名」
小さなトマトは昭和初期に小型トマトや小さなトマトという呼び方で発売されたが、トマトは「大きなトマト」という固定観念があったため市場に出回っていませんでした。
しかし、高度経済成長期以降にマンションや集合団地が増加し、ベランダ内でプランターでも栽培できる「プチトマト」という呼び方で「タキイ種苗」が種を販売。
ベランダでミニトマトが手軽に作れるという事から大ヒットし、小さなトマトを「プチトマト」という種の名前を「呼び方」にしていったという歴史がありました。
ミニトマトはいつから!?
家庭菜園向けのプチトマトの種の大ヒット以降、全国の農家が様々な品種のミニトマトを栽培し出荷。昭和50~60年頃から小さなトマトの総称として「ミニトマト」と呼ばれるようになりました。
その頃から糖度が高い美味しいミニトマトが登場したことから、「プチトマト」という呼び方で愛されていた名前は平成19年に販売終了したのです。ですから、「プチトマト」というものは実在しないのです。
しかし、小さなトマト人気の火付け役がプチトマトだった為、現在でも小さなトマトの事を「プチトマト」という呼び方で使用している人が多くいるというわけです。
庶民の皆さんはこの小さなトマトの事を「プチトマト」だと思っていたためショックを受けている事でしょう。これも新しい製品情報ばかり流通してしまい、プチトマトやミニトマトなど呼び方が変化しても話題になっていないことが多々あるのです。
特徴のあるミニトマトの代表作
ミニトマトには、カラフルで美味しそうな色も豊富にありますが、栄養効果や味など様々な秘密がまだまだあります。
アメ―ラ・ルビンズ
静岡県産・長野県産で、ミニトマトの一般糖度数6度程度に対し ➡ アメ―ラ・ルビンズの糖度は10度以上
甘くてぶどうっぽい感じなのが特徴です。
キャンディドロップ
長野県産で甘さは最高の糖度数12~13度。
エバーグリーン
緑色したミニトマトで未熟かなと思いがちですが、トマトの旨味が満載でずっと緑色で色が変わることがない品種です。
ミニトマトの色の違いから分かる栄養成分
- 赤色のミニトマト ➡「リコピン」抗酸化作用があり、老化防止・生活習慣病予防や美容にも良いとされている。
- 黄色のミニトマト ➡「ルチン」血管強化作用があり、動脈硬化・高血圧の予防に効果的とされています。
- オレンジ色のミニトマト ➡「βカロテン」免疫力アップの効果があり、風邪の予防に効果的とされています。
- 緑色のミニトマト ➡「クロロフィル」デトックス効果といい、老廃物を体の外に出してくれる効果があるとされています。
2015年日本食品標準成分表の研究データによると、普通の大きいトマトに比べミニトマトの方が
- 「リコピン約3倍」
- 「ビタミンC約2倍」
- 「βカロテン約1.7倍」
- 「食物繊維約1.4倍」
などの栄養成分が高いことがわかっています。
また、このミニトマトは普通の大きいトマトに比べ「皮が厚くて硬い」のですがこの皮の硬さ(熟度の違い)に栄養成分も多く含まれているのです。ですので大きなトマトと同じくらいミニトマトを食べると、単純に3倍くらい栄養効果が期待できる優れものなのですね。
ミニトマトに含まれているリコピンを効率よく摂取できる食べ方
生でそのままでも美味しく食べられるミニトマトですが、抗酸化作用のあるリコピンを効率よく摂れる方法は、熱を加えた温かいスープに入れて食べる事です。これは、ミニトマトの細胞壁の中に入っているリコピンが、加熱することにより細胞壁を破壊しリコピンが体内で吸収しやすくなると言われています。
加熱調理することで、生でミニトマトを食べるよりも「約3倍も吸収がアップ」します。ミニトマトは絶対的に温めて食べたほうがいいという結果ですね。
ミニトマトを長持ちさせる保存方法
ミニトマトを保存する時、大半の方は冷蔵庫にそのまま入れてしまいますが、新鮮なままでより長く保存することが出来る方法があります。
それは、水の入った保存タッパにミニトマトを入れ冷蔵庫で保存する方法が良いのです。
通常、ミニトマトをラップに包み冷蔵庫から出してみると水滴が付いていることがあります。これはミニトマトからでた水滴で、水分が蒸発しミニトマト自体が乾燥している証拠なのです。
よって水の入った容器にミニトマトを入れれば水分も出ず、より新鮮さを保つことができる唯一の方法として皆さんも試してはいかがでしょうか。