子どもが好きな寿司ネタにはネギトロが超人気商品です。
また回転寿司屋に行くと必ずネギトロの上にはねぎがのっています。
しかしスーパーのおかずコーナーでネギトロを買おうとすると、
商品名には「ネギトロ」と表示されているのによく見るとネギなしのが売っている。
ではなぜねぎがのっていないのにネギトロと表示しているのでしょうか。
そんな子どもから大人まで大好きなネギトロの疑問をまとめてみました。
ネギトロは「ねぎ+トロ」ではない
ねぎがのっていないのにネギトロと表示している意味を
スーパーの店員さんに聞いてみてもはっきりと答えられる人は少ない。
更に、ネギトロを買いに来た主婦に聞いても
「後でねぎと合わせる為に素材をネギトロと読んでいる・・・」
とか言います。
日本人の多くの人が
ネギトロの上にねぎをのせるからネギトロだと思い込んでいます。
実は、ねぎ+トロ=ネギトロではありません。
ねぎをのせているからネギトロというのではなく、
ミンチ状になったマグロそのものをネギトロと言います。
そのため「ねぎ」は全く関係ないのです。
軍艦にのっていたネギトロは「ネギねぎトロ」になっておかしいですよね。
ネギトロの名前の由来はマグロ加工過程にあった
ネギトロの材料としてマグロの「腹ぶし」の断面を見てみると、
大トロ・中トロ・赤身の3か所に分けられます。
また、背中の骨に付いている物を「中落ち」と言います。
多くの皆さんはこの「中落ち」がネギトロになるものだと思っているでしょうが、
全く違うのです。
実は、刺身として上の身を取る時に皮を剥がすのですが、
その皮に付いている身の所がネギトロになるのです。
そこで、皮に付いた所をスプーンで身をそぎ取るのですが、
その「身をそぎ取る」ことを「ねぎ取る」と言います。
ねぎ取る ➡ ネギトロ
「ねぎ取る」という言葉は江戸時代に有った言葉で、
現在の「ネギトロ」に繋がっているのです。
これは、江戸時代の建築用語で、土を掘るというのが「根切り」と呼ばれていました。
マグロの身をそぎ取る様子が土を掘っているように見えた事から、
いつしか「根切る」と言う言葉を寿司屋さんが使うようになったといわれています。
そして
根切って取る ➡ ねぎとる ➡ ネギトロ
と訛ってきたのです。
現在では、マグロの中落ちもネギトロとして扱っています。
しかしこの「皮目」という部分は、
大トロと中トロに面した油ののった所なので、
皮から取ったネギトロを食べると中落ちに比べ味が全く違います。
ネギトロのねぎは臭み消しの意味?
では、ネギトロのねぎは一切関係ないのかというと
そうではありません。
回転寿司屋でも、
スーパーでもネギトロにねぎをのせている意味は、
マグロの身はミンチ状にすると
空気に触れる部分がとても多くなり生臭さが増すのです。
その生臭い部分を消す効果として、
ねぎをのせるようになったというわけです。
ネギトロとねぎが1セットになっている物ばかりと
勘違いしていましたが、
ねぎにはそんな効果や役割が有ったのです。
子どもから大人まで好きなネギトロですが、
最近ではマグロの代用品や、マヨネーズを混ぜて加工したりと
様々な製造過程が増えてきています。
マグロの解体ショーの前で直にネギトロを食べるのだったら安心できますが、
回転寿司屋の見えない所でネギトロ加工がなされているのはチョット不安です。
そんなことから、
ネギトロを販売しているお店の信用が一番重要になってきますので、
いくら臭み消しの効果があったにせよ、
ネギをかけても生臭い感じが強く感じられたら
その点は十分に気を付けておいしいネギトロを食べたいものですね。