葬儀業界ではあり得ないという言葉は基本中の基本。
これは、間違いを起こさない・取り返しがつかない・あってはならぬ、など同じ意味で解釈しています。
そんな中、葬儀の火葬であり得ないトラブルが発生していました。
年に1~2度起きる遺体の取り違え。
同じ葬儀業界としてこのトラブルはまずあり得ないことである。
それが起きてしまったことについて、それを未然に防ぐ対策などまとめてみました。
ありえない遺体の取り違え、確認の甘さに原因が
H30-1-9の毎日新聞で大きく取り上げられた遺体取り違え火葬・・・遺族が葬儀前に遺体を確認したら別人と分かり調査。すると既に本人の遺体は火葬されていたことが判明。取り違えられた二つのご遺体は同センターの霊安室安置。一方の遺族の希望で対面室へ移動し納棺。原因は、職員が霊安室に戻らず、誤って納棺してしまった。双方の遺族には謝罪した・・・故人の取り違えが無いようネームタグをつけるシステム作りをしているはずが、その時はしていなかった。・・・
とあるが、こんなことなぜ起きるのでしょう。
この場合、霊安室安置の確認・移動の確認・納棺の立会・火葬場での確認の4か所もご遺族との立会や確認する機会があったはず。それにも関わらずご遺体の取り違えトラブルが起きている。
火葬場でご遺族が立ち会えない場合が稀にあり、例え生活保護などで身内が居ない場合であっても、葬儀社は最後まで責任をもつことが役目です。
しかし、双方にご遺族が居るにもかかわらず、取り違えたということは非常に珍しいケースです。どこかで葬儀業務を省略(手抜き)しているとしか考えられません。トラブルが起きた葬儀社は大手だから?件数が多いから?・・・なのでしょうか。
葬儀のトラブルが多いのは大手葬儀社とも限らない
葬儀トラブルでの最大のミスは遺体の取り違えではあるが、あり得ないトラブルが起きた葬儀社も大手である。だがこのようなあり得ないトラブルは何も大手とは限らない。
確かに、大手になると全ての作業が分業制となることが多いようです。遺体搬送~安置~遺体保全~納棺~霊柩車~火葬~準備施行~司会など、全てが同じ人間が遣るとなると時間の都合上無理が出てきます。
だが、この分業制は零細な葬儀社であっても常にやっていること。葬儀が立て続けに入ればおのずと分業制にはなるが、間違いは今まで起きていない。大手は取扱件数が多いから・・・という理由にはならないのである。
ありえない遺体の取り違えは、分業制の弊害が
葬儀社の分業制に弊害があるのなら、分業制を無くせばいいことで、いたって簡単なことです。道理や理屈から考えて、葬儀社の人員の数や設備を考えても分業制を無くすことはできる。一人の担当者が、全てを遣ればいいだけのこと。
その全てができないとか、その能力がないとなれば、葬儀社の資格はないワケです。新人であるならば時間が掛かる場合が多く分業制は理解できますが、プロになれば一人の担当者が2件3件を同時に受け持つことだってあるわけです。
ただ、時間的に余裕がない、時間が重なってしまう搬送と通夜葬儀進行という分野だけは分業制にするという方策を取ればいいのである。遺族側からしても、分業制で葬儀が成り立っていると思われれば安心して任せることはできないような気もします。
一人の担当者がずっとご遺体について回れば、どこかでご遺体の変化に気づくはず。どこかで大きなあり得ないトラブルは未然に防ぐことができるのである。
また、霊安室という同じ場所に同じご遺体を安置する場合は、特に間違いが起きやすい。その場合などは、ネームタグを欠かさず取り付け、ご遺体の取り違いを防ぐことが可能となります。ここで付け忘れたり、面倒臭いと省略してしまうと大変なことになるわけです。
葬儀でのあり得ないトラブルは、起こさない努力が必要
葬儀の流れでよく起きるトラブルは、全てが確認ミスによるものが多い。その中でも今回のご遺体の取り違えは葬儀社にとって痛恨のミスである。
では、ご遺族にとって小さなミスから大きなものまでを考えた時、どのように葬儀社は改善していかなければいけないでしょうか。
- 出来れば搬送から出棺までの一連を、担当者一人が受け持つ
- 引き継ぐ場合は、遺体の確認や詳細全てを報告する
- 分業制で進めた場合は必ず報連相(ホウレンソウ)を徹底する。
- 遺体移動の前には必ずご遺族の許可を貰い、顔を確認した上で施行する
どんなに優秀な葬儀社員がいても、どんなに葬儀システムが優秀で設備も豪華であっても、葬儀社母体の運用が悪ければ同じトラブルは繰り返されます。キチンとした葬儀システムの運用の改善が求められてきます。
今の世の中インターネットの普及により、大手の葬儀広告は素晴らしく営業活動も盛んです。しかしその知名度だけを中心にして葬儀社選びをしてはいけません。一般の方にどれだけの信用があるのか、またその担当者はどこまでの実力があるのかを見定めていただくことが重要なのです。
ありえない遺体の取り違え、確認の甘さに原因が
葬儀のトラブルが多いのは大手葬儀社とも限らない
ありえない遺体の取り違えは、分業制の弊害が
葬儀でのあり得ないトラブルは、起こさない努力が必要
以上をまとめてみました。皆さんには、あり得ないトラブルに巻き込まれないよう、最終的に理想の葬儀に結びつくような葬儀社選びをしていってもらいたいと思います。少しでもお役に立てれば幸いです。