テニスの大坂なおみ選手の苗字「おおさか」は、「土」へんに「反」と書く「おおさか」です。
しかし関西にある地名のおおさかは「大阪」とこざとへんですが、大坂なおみ選手の「おおさか」とどう違いがあるのでしょうか。
そして名字に使用される「おおさか」は「大阪」と「大坂」どちらが多いのでしょうか。
実際全国のハローページで調査した結果、
- 「大阪」・・・ 113世帯
- 「大坂」・・・2061世帯
と圧倒的に土へんの「大坂」が多いことが分かっています。
苗字の「大坂」、地名の「大阪」とのおおさかのルーツは意外なものだった!?
現在の大阪府は「阪」を使っているのですが、元々は苗字と同じ「大坂」を使用していました。
そもそも現在の大阪府の周りがおおさかと呼ばれるようになったのは室町時代後期からで、現在の大阪府は当時「摂津国」に浄土真宗の僧侶「蓮如」がお寺を立てその近くは大きな坂が有ったと言われています。
そこでお寺を意味する御坊に「大坂御坊」と名づけられました。
その後、安土桃山時代になると天下統一を果たした豊臣秀吉がその土地に現在の「大阪城」を建てたのですが、実は元々江戸時代に書かれた絵馬には、土へんの「大坂城」だったのです。
その後、次第に大坂城の周辺の地域の事を土へんの「大坂」と表記するようになりました。
土へんの「大坂」は縁起が悪い!?
江戸時代後半になると土へんの「坂」は縁起が悪いと言われ「大坂」→「大阪」に変えていくようになったのです。
それは、坂を分解すると
「坂」→ 土反(つちにかえる)=「武士が死を連想させる」
という意味合いから縁起が悪いと言われていたようです。
このように大坂の坂と同じ意味を持つ「こざとへん」の阪に変えるべきだと騒がれていたのです。
その後、明治2年大阪府府令として正式に「大阪」となりました。
大坂の「坂」は縁起が悪いのになぜ苗字「大坂」が多い!?
苗字の由来やルーツから、そもそも大坂さんは「大坂」地域に住んでいた人たちが名乗り始めたように思われがちですが、実は違うのです。
現在、土へんの大坂さんが多く住んでいる都道府県は、大阪府周辺ではなく北海道から青森・秋田・岩手・山形・新潟など東北北陸地方に多く、大阪出身の人達に聞いても「大坂さんは居なかった」といいます。
実は、テニスの大坂なおみ選手の祖父は北海道出身でした。
江戸時代の頃、北海道や東北・北陸地方には大坂から仕入れたものを売る「大坂屋」という店が有り、その店舗を営んでいた人たちが「大坂」という苗字を名乗ったと考えられています。
当時、大坂から物資を売り買いする商船「北前船」が、北海道・東北・北陸と航行していたことで酒や塩・木綿などを売る店舗が沢山あったのです。
そのため、大坂屋を名乗る人たちは皆「大坂」と苗字を名乗っていたということなのです。
そして大坂屋は既に繁盛していた事から「縁起が悪くとも今さら変えられない!」と屋号と同じ「大坂」を苗字にする人が多かったという意味があったようです。
その為現在でも北海道や東北・北陸地方には「大坂さん」が多いのです。
しかし、大坂なおみ選手が有名になったことからこの大阪・大坂の苗字のルーツを知ることが出来、更に大坂なおみ選手もこれからテニス界で大きな飛躍を期待したいものですね。